記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2024/3/20
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
肩こり、頭痛、便秘が続いたり、気分が晴れない状態が続くのは、ストレスが原因の可能性があります。また、ストレスは、生活習慣病や循環器疾患などの深刻な病気の原因になることもあります。この記事では、ストレスが病気を引き起こす理由と、ストレスによる病気を予防するためのポイントについて解説していきます。ストレスによるトラブルを乗り越えるための参考にしてください。
私たちにストレスを与えている外部的要因を、「ストレッサー」と呼びます。日常生活の中にはさまざまなストレッサーがあり、私たちの体はストレッサーによる悪影響を緩和するため、ストレスコーピングと呼ばれるストレス対処をしています。ストレスコーピングが上手くいっている場合は、ストレス反応はしだいに治まっていきます。
しかし、ストレッサーが長く続いたり、ストレスコーピングの対処能力を上回るほどの負荷がかかったりすると、ストレス反応は次第に慢性化し、イライラや不安感が生まれてきます。そして、この状態が長く続くうちに自分では心身をコントロールできないうつ状態につながり、さまざまな病気の引き金になってしまうようになることがあります。
ストレスによる負担が慢性化すると、心の不調だけでなく、身体的な病気につながることもあります。ストレスと関連がある病気は以下のように多岐にわたります。
上記のほか、メニエール病、肥満症、糖尿病、慢性関節リウマチ、腰痛症、顎関節症、夜尿症、心因性インポテンス、筋収縮性頭痛、痙性斜頚、書痙などもストレスによる影響があると考えられています。ただし、これらの原因がすべてストレスによるものというわけではありません。生活習慣や体質など、そのほかの原因ももちろん考えられます。
ストレスが溜まると、以下の症状が現れることがあります。このような症状は「ストレスが溜まっている兆候」かもしれません。
ストレスが引き起こす病気を予防するには、以下の方法でストレスを解消することがおすすめです。
好きな運動をする、ジムに行って体を動かすなどしてストレスを発散することは、おすすめのストレス解消法です。精神的な疲れを肉体的な疲れに置き換え、たっぷりと休息をとることで、心身を回復させることができます。激しい運動やきつい運動である必要はなく、たとえば散歩などのようにきちんとしたスポーツでなくてもかまいません。
映画を観たり料理を作ったりするなど「自分の趣味」がある人は、生活のなかに積極的に取り入れて気分転換をしましょう。仲の良い友達と話したり、何か美味しいものを食べに行ったりするなど「自分に取って心地いいことや楽しいこと」をしてみてください。
ストレス反応を和らげるには、心身をリラックスさせ、緊張感を取り除いてあげることが大切です。好きなアロマの香りを嗅いだり、リラックスできる音楽を流したり、お茶を飲んだりなど、ちょっとした隙間の時間にできるリラックス法もあります。深呼吸やストレッチなどで体をリラックスさせることも大切です。
ストレスを溜まった状態になると考え方が凝り固まりやすくなり、嫌なことばかり思い出してしまうこともあります。周囲の景色・音・人の様子などに意識を向けてみたり、楽しかった出来事を思い出したりすると、自分の意識をほかのことに向けることができます。相手の立場になって考えることも、視点や考え方を変えるきっかけになります。
生活するうえでは、多かれ少なかれ心身にストレスがかかっています。軽いストレスであれば問題ありませんが、大きすぎるストレスや慢性的なストレスは、ときに深刻な病気の原因になることもあるので注意が必要です。ストレスが溜まらないように、こまめにストレスを解消し、心身の「ちょっとした変化」を見逃さないようにしましょう。また、ストレスによる不調は自分では気づきにくいです。家族や友人、同僚など、周囲の人に兆候が現れているときは、休むように促したり、専門の医療機関に相談するように促してあげましょう。