記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/6/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ビタミンDは水に溶けにくく、油に溶けやすい性質をもつビタミンのひとつです。今回は、ビタミンDのはたらきや、多く含んでいる食べ物などをご紹介します。
ビタミンDは、脂溶性ビタミンの一種です。食べ物から摂取できる以外に、太陽の光を浴びることによって体内でつくり出すことができます。腎臓や小腸でリンとカルシウムの吸収を促し、血中のカルシウム濃度を保っています。また、カルシウムを主成分とした骨を丈夫にする役割があります。なお、以前は「IU(アイユー)」という国際単位で表されていましたが、現在では「μg(マイクログラム)」で示されています。
日光を十分に浴びない、または何らかの病気によりビタミンDが欠乏することで「ビタミンD欠乏症」を生じ、筋肉や骨が弱くなるといわれています。またビタミンDの不足によってカルシウムの体内への吸収率も下がるため、「低カルシウム血症」を引き起こす場合もあります。
小児の場合、骨の成長障害、足の骨が曲がる、姿勢が悪くなることなどもあります。妊婦や授乳中の方の場合は、骨がやわらかくなる骨軟化症になることがあります。また、肥満傾向にある人、高齢者、更年期以降の女性は特に注意しましょう。特に、更年期を迎えて閉経すると、女性ホルモンの分泌が減少して骨粗しょう症になる恐れがあります。また、骨粗しょう症で骨が弱くなった場合、骨折しやすくなる、寝たきりになりやすくなるなどの要介護につながる可能性もあります。
冬は日が短くなるため、血中のビタミンD濃度も低下するといわれています。インフルエンザが流行る冬にビタミンDを摂取すると、インフルエンザにかかりにくくなるという報告もあります。食事や日光浴などでビタミンDを補うことによって、インフルエンザの予防にもつながります。
ビタミンDを多く含む食品には、主に以下のようなものが考えられます。
ビタミンDを効率よく摂る方法として、主に以下のようなものがあります。
ビタミンDは太陽の光を浴びることで、ある程度体内でつくることができます。1日20分程度、外に出るようにしましょう。ウォーキングや散歩などを日課にするといいかもしれません。
野菜や豆類、イモ類、穀物には、ビタミンDがほとんど含まれていません。ビタミンDを多く含む、きのこ類や魚類から摂るようにしましょう。また、魚類はカルシウムも多く含みます。ビタミンDはカルシウムと一緒に摂ることで、体内に十分に吸収されるといわれています。どちらか片方ではなく、一緒に摂って効率よくビタミンDを摂るようにしましょう。
普段忙しく、なかなか食べものから摂ることができない、または魚類やきのこ類が苦手などの場合には、サプリメントで手軽に摂取することもひとつの方法です。ただし、脂溶性ビタミンは体内に残りやすいため、一度にたくさん摂らないよう注意しましょう。
紫外線の量が少なくなる冬はビタミンDが不足しやすくなるため、積極的にビタミンDを摂るようにしましょう。また、しいたけは紫外線に当てることでビタミンDが増加すると考えられています。干ししいたけは、しいたけよりビタミンDが多くなります。
ビタミンDが不足すると、骨や筋肉が弱くなるといわれています。ビタミンDを多く含む魚類やきのこ類を摂る、日光浴をするなど、普段の生活からできることを心がけましょう。