記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2022/5/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ビタミンは私たちの健康に欠かせない栄養素のひとつです。今回は、ビタミンB群のひとつであるビタミンB6の効果や摂取の目安量などをご紹介します。
ビタミンB6は、糖質や脂質をタンパク質に変換する「タンパク質の代謝」に関わる栄養素です。また、アミノ酸の代謝にも関わり、酵素の働きをサポートする役割も持っています。免疫機能の保持とヘモグロビンの合成の働きがあり、血液や筋肉が作られる際に機能し、皮膚や粘膜の健康を保つ効果も期待できます。
ビタミンB6が不足すると、貧血、口内炎、皮膚炎、リンパ球減少症などを発症することがあり、成人の場合では、痙攣発作、うつ、錯乱など、神経系に異常がみられる場合もあります。長期間にわたって抗生物質を投与された人はビタミンB6欠乏症になるリスクが高くなり、脂肪を多く摂取するとビタミンB6が消費されるため、ビタミンB6が不足しやすくなります。妊娠中はアミノ酸代謝が盛んになるため、より多くのビタミンB6が必要です。妊娠中はつわりなどで食事量が減ったり、偏った食事になったりしやすいためビタミンB6も不足しやすい傾向があります。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、男性は18歳以上で1.4mg、女性は18歳以上で1.1mgが1日の摂取量の目安としています。妊娠中の人は0.2mg、授乳中の人は0.3mg、さらにプラスしてください。また、ビタミンB6は、過剰摂取による健康被害が報告されていることから、18歳以上の男性で50〜60mg、18歳以上の女性で40〜45mgの耐用上限が設定されています。
ビタミンB6は、おもに以下の食品に含まれています。普通の食事でビタミンB6が過剰になることはまずありませんが、サプリメントで補う場合には過剰摂取に注意しましょう。なお、妊娠中の女性や授乳中の女性に耐容上限が設定されていませんが、過剰摂取しても良いわけではありません。通常の耐用上限を参考に、適度な摂取を心がけてください。
ビタミンB6はタンパク質やアミノ酸の代謝に関わる栄養素で、不足すると、疲れやすい、神経の働きが不安定になるなどの不調が現れる場合があります。レバーやまぐろ、バナナといったビタミンB6が多く含まれる食品を日ごろから摂取して、ビタミンB6が不足しないように心がけましょう。妊娠中の人や授乳中の人は不足しやすいので、とくに注意してください。