経口補水液って自分で作れるって本当?作り方も合わせて解説!

2019/7/6

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

夏場になると、CMなどでも経口補水液を見かけることが多くなります。経口補水液は脱水状態のときに素早く水分や電解質を補給できる飲料として有名です。そんな経口補水液ですが、自宅でも近いものが作れることをご存知ですか?経口補水液の買い置きが切れたときや、キャンプなどで緊急に必要なときに、家にある材料で作ることができます。いざというときに備えてチェックしておきましょう。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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経口補水液って手づくりできるの?

薬局やドラッグストアなどでよく見られる経口補水液は、WHO(世界保健機関)の経口補水療法(脱水に対し、水と電解質を口から補給する治療法)のガイドラインに即して作られています。もともとはコレラなどの感染症による脱水対策として開発された治療法ですが、脱水時に不足している水分と電解質を迅速に補給できるものとして広く販売されています。

しかし、薬局やドラッグストアなどが近くにないときやたまたま買い置きが切れているとき、自宅で簡単な経口補水液を作ることもできます。夏場などで発汗し、大量のナトリウムが失われたとき、旅先やキャンプなどの際に覚えておくと便利です。

ただし、この簡易経口補水液は、ウイルス性の感染性胃腸炎などによる嘔吐や下痢で失われがちなカリウムについては、ほとんど摂取できません。また、炭水化物の含有量が多いことも、飲み過ぎには気をつけなくてはならないポイントです。したがって、あくまでもこの簡易経口補水液は緊急時の一時的な応急処置と考え、基本的には薬局やドラッグストアで買える経口補水液を利用しましょう

経口補水液の材料と作り方

では、実際に家庭で経口補水液を作る場合の作り方を見ていきましょう。

  • 水…1リットル
  • 塩…3g(小さじ2分の1)
  • 砂糖(上白糖)…20~40g(大さじ2と小さじ1〜大さじ4と小さじ2分の1)
  • レモン…適量

経口補水液は、分量のバランスが非常に大切なため、量は必ず正確に計りましょう。できるだけ目分量にせず、クッキングスケールなどで正確に計るのがおすすめです。特に、塩と砂糖の分量を間違えて逆にしてしまうと、うまく脱水を改善できない場合もありますので、面倒でもきちんと分量を計って作りましょう。

また、家庭で作った経口補水液は、どうしても雑菌の混入を完全に防ぐことができません。特に、砂糖が含まれている経口補水液は、人間にとっても必要なエネルギーを補給できますが、雑菌にとっても格好の繁殖環境です。必ず冷蔵庫で保管し、長くてもその日のうちに飲み切りましょう

経口補水液を飲むときの注意点は?

経口補水液を飲もう、と思うのは主に脱水の際ですが、脱水には大きく分けて「水分だけが大きく欠乏している=高張性脱水」「水分とナトリウムの両方が欠乏している=等張性脱水、低張性脱水」の2つの状態があります。このうち、経口補水液を必要とするのは主に水分とナトリウムが同時に欠乏していて、かつナトリウムの方が多く欠乏している「低張性脱水」です。

このとき、経口補水液(低張電解質輸液)を飲むと、浸透圧によって細胞の内部にまで水を補給することができます。この浸透圧の関係で、経口補水液は分量が大切なのです。しかし、早く吸収されるためとはいえ、糖分や塩分が多い飲料であることは変わりません。

そこで、経口補水液を飲むときに注意することは「健常なときに飲みすぎない」ことと、「糖尿病・腎臓や心臓の異常がある人は注意する」ことです。経口補水液の中には、100mLあたりブドウ糖が1.8g含まれているものもあります。糖尿病などで食事指導を受けている方は、自己判断で飲むのは危険です。必ず主治医に相談しましょう。

また、腎臓や心臓に疾患がある場合も同じです。ナトリウム(1本当たり575mg)やカリウム(1本当たり390mg)が多く含まれているため、飲んでいる薬剤との相乗効果で思わぬ副作用を引き起こす可能性があります。これらの疾患を発症している人は決して自己判断せず、飲みたい場合は主治医に相談しましょう

そして、健康な状態のときにはもちろん飲みすぎないことが大切です。あくまでも脱水時に素早く水分を補給するための飲料ですから、脱水でない状態のときに飲みすぎると糖分や塩分の摂りすぎになる可能性があります。スポーツや外での作業などで発汗した後、できるだけ素早い水分補給が必要なときにとどめておきましょう。

おわりに:経口補水液は自分でも作れるが、あくまでも緊急措置にとどめましょう

経口補水液は家庭にある材料で簡単に作れますが、それはあくまでも緊急措置であり、家庭で作れる経口補水液にはどうしても嘔吐や下痢で不足する「カリウム」が足りなくなります。そこで、夏場の脱水症状などに限り、感染症などの際は市販のカリウムも含んだ経口補水液を飲みましょう。

また、糖尿病や腎臓・心臓に異常がある方は、こうした電解質が多い飲料を自己判断で飲むのは危険です。必ず主治医に相談してから飲みましょう。

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