記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/8/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
セロトニン症候群は、ある特定の薬を服用した場合などにみられることのある病気です。今回はセロトニン症候群を招く薬や症状などをご紹介します。
セロトニン症候群は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)のような抗うつ薬など、脳内のセロトニンの量を増加させる働きのある薬剤を服用しているとみられることのある副作用です。興奮する、不安になる、動き回る、手足が勝手に動く、発熱、発汗、下痢などの症状がみられることがあります。
セロトニン症候群は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬であるパロキセチン、フルボキサミン、セルトラリンなどの薬の服用が原因として挙げられます。その他、難治性パーキンソン病の治療薬である塩酸セレギリンで引き起こされることもあります。
また、まれではあるものの、サプリメントのセイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)や炭酸リチウムなどの抗不安薬・睡眠薬や気分安定薬などで起こる可能性もあります。特に、ほかの薬と同時に服用していたり、複数の抗うつ薬を併用したりしている場合は、セロトニン症候群になりやすいことがわかっています。
セロトニン症候群の症状は、薬を服用してから24時間以内に起きることがほとんどだといわれています。主な症状として、以下のようなものが考えられます。
気になる症状がみられたら、すぐに医師や薬剤師へ連絡しましょう。電話がつながらないなど連絡が取れない場合には、服用中の薬やお薬手帳を持って救急医療機関を受診してください。ただし、意識がはっきりしない場合にはその場で救急車を呼びましょう。セロトニン症候群は服用を止めて安静にしていれば、回復することがほとんどだといわれています。しかし自己判断で薬を止めることで危険を招くこともあるため、必ず医師などに相談の上、決定するようにしましょう。
セロトニン症候群になると、発汗や下痢などの自律神経症状、興奮や不安などの精神症状など体にさまざまな症状がみられることがあります。気になる症状があらわれたら、すぐに病院を受診しましょう。