記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/8/18
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
近年、ダイエットや健康のために糖質や糖類の摂取を制限する人が増えていますよね。しかし、この糖類と糖質がどのように人体の健康に関わっているのか、理解している方は少ないかもしれません。
そこでこの記事では、糖類と糖質についてそれぞれの違いや私たちの健康に及ぼす影響、1日当たりの摂取量の目安などをまとめて解説していきます。
糖類は食品の甘み成分で、食品の嗜好性の向上や保存できる期間の延長など、さまざまな目的で使われている成分です。単糖類(たんとうるい)と二糖類(にとうるい)の2種類があり、それぞれ含まれている食品などが異なります。単糖類はブドウ糖や果糖のことで、果実や野菜、はちみつなどに少量含まれます。飲料やお菓子を甘くするために一般的に用いられています。
一方、単糖類が2つ結合した二糖類には、ショ糖・乳糖・麦芽糖などがあります。
単糖類と二糖類の総称である「糖類」は、炭水化物の中に含まれる「糖質」の一部分です。
「糖質」も「糖類」も、「炭水化物に含まれる糖の成分」という意味では変わりありません。しかし、「糖質」が多糖類や糖アルコールなど、炭水化物に含まれるさまざまな糖の総称であるのに対し、「糖類」は単糖類と二糖類の2種類の糖のみの総称です。
炭水化物中の「糖質」と「糖類」含有量は、それぞれ以下の計算方法で導き出せます。
糖類が私たちの体に及ぼすメリット・デメリットとしては、それぞれ以下が挙げられます。
つまり、糖類は私たちの生命と健康の維持に欠かせない栄養素ではあるものの、摂りすぎると疾患の原因になってしまうのです。
日本においては、現代日本人が日常的にどの程度の糖を摂ってどのような影響を受けているのか統計が行われていないため、1日当たりの摂取量の目安も設定されていません。ただ、世界保健機構(WHO)が発表した2015年のガイドラインでは、目的別に1日当たりの糖類の摂取目安量を、以下のように設定しています。
仮に肥満と虫歯を予防し、さらに高い健康効果を求めて1日当たりの糖類摂取量を決めるなら、成人で小さじ6杯(約25g)分の砂糖を摂取すれば良いという計算になります。
炭水化物に含まれる栄養分のうち、全体から食物繊維を引いた複数の糖類の集合体を「糖質」、糖質のなかで単糖類・二糖類だけを指したものが「糖類」です。どちらも大きく見れば糖という栄養素の仲間ですが、その働きや特徴、含まれている食品などには違いがあります。糖類は適切に摂取すれば私たちの体を動かすエネルギーとなり、生命維持に役立ちますが、摂りすぎると肥満や糖尿病、虫歯の原因にもなり得ます。適量の摂取をめざしましょう。