記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/10/20
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「最近、胃がもたれやすい…」「胸やけがする」などの症状で悩んでいませんか。今回は、胃酸が逆流する原因や予防法をご紹介します。
食道は、太さ約1~2cm、長さ約25cmの消化管です。食道では、食道の筋肉がぜん動運動することによって、食べものが胃の方へと運ばれます。この刺激が食道の下まで伝わり、「下部食道括約筋」と呼ばれる食道と胃の境界にある筋肉が緩んで、普段閉じている「噴門」が開き、胃に食べものが入ります。また、胃が正常であれば、胃酸は胃が動くことによって腸に押し出されます。
一方、胃酸の逆流は胃が縮まってしまうことにより、胃酸が溜まって引き起こされます。げっぷなどによって胃の入り口が開くと、溜まっていた胃酸が逆流すると考えられています。
普段は胃に入った食べものが逆流しないよう、下部食道括約筋は噴門を筋肉によって締めています。胃酸が逆流するのは、ストレスや加齢、喫煙やアルコールなどによりこの下部食道括約筋の力が緩むことが考えられます。また、筋肉の伸び縮みによる食道のぜん動運動は、食べものを下に送り込むはたらきがあります。
しかし、逆流してきた胃酸を胃へ戻すことができないほど、ぜん動運動のはたらきが弱まっていることも原因のひとつとして考えられます。さらに、暴飲暴食などの食べ過ぎや姿勢の悪さ、また下着などによる締めつけなどにより、胃の圧力が高まることで上向きの力がかけられ、胃酸が上がってくることも考えられます。そのほか、ストレスや運動不足などにより、胃のはたらき自体が弱くなっていることも原因として考えられます。
主に以下のような症状がみられたら、胃酸が逆流している可能性があります。心当たりがある場合には、一度病院で診てもらうことをおすすめします。
胃酸の逆流を防ぐためには、主に以下のようなことに気をつけましょう。
食べ過ぎを控え、ゆっくりと食事をとるようにしましょう。またコーヒーやタバコ、アルコール、脂肪分の多いものや香辛料が多く含まれるものなども胃を刺激することにつながります。そのため、このような刺激のあるものはできるだけ控えるようにしましょう。また酸を中和する唾液がよく出るように、食後にガムを噛むのもおすすめです。
ベルトやコルセットなどを着けている場合には緩めにし、お腹まわりを必要以上に圧迫しないようにしましょう。また肥満の方は減量しましょう。
前かがみの姿勢は避け、就寝時は上半身を高く保てるようにし、左側を下にするといいでしょう。食後はすぐ横にならず、座って過ごすなど、リラックスした姿勢を心がけましょう。
胃酸の逆流はストレスや胃のはたらきの低下などによって起きることがあります。ゆっくりと食事をとって食べ過ぎを防ぐ、普段から姿勢を意識するなど、できることから始めてみましょう。