記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
梅毒は、性的接触を通じて、ある人から伝染する重大な感染症です。 これは細菌によって引き起こされます。 梅毒を持つ感染者の、特に傷のある口、陰茎、膣または肛門(直腸の開口部)で、血液または傷跡に触れることによって梅毒にかかることがあります。
梅毒の第1段階は初期梅毒と呼ばれ、通常、感染してから10日~3ヶ月後に起こります。男性では、梅毒感染のきっかけは陰茎の傷口、女性の場合は膣周囲または膣の傷口である可能性があります。梅毒の傷口は通常痛みを伴わないので気付かないかもしれませんが、早期に梅毒を治療しないと傷口から血中に細菌が広がります。
梅毒が血液に入ると、第2段階に入り、多くの問題を引き起こします。最も一般的な兆候は発疹です。発疹は通常赤褐色で、体のどこにでも(手のひらや足の裏にも)発生する可能性があります。 発疹は傷口の出現から2〜10週間後に現れ、その他第2段階の症状として、発熱、リンパ節腫脹、咽頭痛、体の痛み、口中の痛み、疲労感などがあります。
そして第2段階から回復した後は、潜伏期に移行することがあります。この段階では症状はありませんが、細菌はまだ体内に残っています。
長年梅毒を患っているにも関わらず治療を受けていない人々は、第3段階を発症する可能性があります。この段階は、脳や脊髄に問題を引き起こす可能性があり、心臓や血管系にも損傷を与えることがあります。
梅毒感染者には、感染の兆候がない人や非常に軽度な人もいるため、自分が梅毒感染者であることに気付かない可能性があります。
しかし、兆候がない場合や兆候が消えても、細菌はまだ生きており、後に深刻な健康上の問題を引き起こす可能性があります。
ほとんどの場合、性的接触を介します。 妊娠中に感染した母親から赤ちゃんにうつることもあります。
梅毒は、コンドームを使用したり、オーラルセックスを避けるなど、より安全な性行為によって回避することができます。
梅毒の傷口は包帯により感染が広がらないようにする必要があります。
血液検査で確かめますが、場合によっては、梅毒がどのくらいの段階まで進行しているか確認する他の検査もあります。一例として、神経診察を通じて、菌があなたの神経系に広がっているかどうかを確認する方法が挙げられます。
梅毒は抗生物質であるペニシリンで治すことができます。ペニシリンは1回の注射として投与されます。梅毒を患ってから1年以下の場合は、1回の服用が必要です。 梅毒に1年以上罹患している場合は、2回以上の注射が必要です。 ペニシリンにアレルギーがある場合は、必ず医師に相談してください。
進行した梅毒の場合は、より強い治療が必要な場合があります。 病院や診療所に通い、毎日10日間にわたってペニシリンの注射を受けるケースも場合あります。 また、1回のペニシリン静脈注射により治療する人々もいます。
あなたが妊娠している場合は、すぐに治療を受けることが非常に重要です。梅毒は生まれていない赤ちゃんの先天性欠損や死亡を引き起こす可能性があります。
治療後、血液検査のために数回再受診をすることが求められます。
このときの検査を通じて、抗生物質が全ての梅毒細菌を殺したかどうか判断します。
梅毒は性行為中にある人から別の人にうつることがあります。 梅毒にかかっている場合、さらにHIVやクラミジアや淋病などの他の性感染症(STI)にもかかっている可能性があります。 梅毒を患っている場合、傷口からHIV感染しやすくなるため、HIV、クラミジア、淋病の検査も受ける必要があります。
これらの感染症については簡単な検査と他のいくつかの検査で確認できます。 HIVと梅毒を患っている場合は、専門医により把握し適切な治療と継続的なケアを受けることができます。
・最善の治療法は何ですか?
・治療はどれくらいの期間続くでしょうか?
・梅毒を人にうつしたかわかりますか?
・パートナーに梅毒をうつすことなくセックスすることは可能ですか?
・他の病気を発症する危険にさらされていますか?
・梅毒の治療を受けている間、服用してはいけない薬やサプリメントはありますか?