記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
2017/10/17
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
花粉症とは、植物の花粉に対するアレルギー反応によってアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎になり、くしゃみ、鼻水、はなづまり、目のかゆみ、涙、充血といった症状が現れます。日本人の20~30%が花粉症に悩まされているというデータがあるくらい一般的な病気です。
原因として最も多いのはスギで、その他にはヒノキやイネ科などがあります。アレルギー体質の人は、ハウスダストやカビなど、花粉以外に対してもアレルギーを持っていることが少なくありません。
アレルギー性鼻炎の症状として、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、アレルギー性結膜炎の症状として、目のかゆみ、涙、充血、まぶたが重いといった症状があらわれます。のどがかゆいこともあります。
全身症状として、体のだるさや眠気があらわれることもあり、風邪と見分けるのが難しいときもあります。
血液検査では、スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカバ、イネ科(カモガヤ、オオアワガエリ)、ブタクサ、ヨモギなどの花粉に対するアレルギー反応を調べることができます。
抗ヒスタミン薬という飲み薬が使われます。アレグラ®、アレロック®、ジルテック®、ザイザル®、タリオン®など非常にたくさんの種類があります。それぞれ薬の強さや、副作用として眠気の出やすさが異なります。また1日1回のものと、1日2回のものがあります。個人差が大きいので、自分にあった抗ヒスタミン薬を覚えておくと良いです。
抗ヒスタミン薬以外にもアレルギーを抑える飲み薬が使われることがあります。また副作用の眠気がつらい人、飲み薬では症状が改善しない人は、ステロイド点鼻薬や抗ヒスタミン点眼薬、漢方(小青竜湯)などが使われることもあります。
また舌下免疫療法という治療は、スギ花粉症の人に適応があります。スギ花粉エキスを毎日舌下に投与する方法で、治療期間は3~5年かかります。
・花粉が飛ぶ前から抗ヒスタミン薬などの飲み薬を飲むと、症状をやわらげることができます。
・花粉を体に取り入れないことが大事なので、マスクやゴーグルが有効です。
・帰宅した後には衣類や髪をよく洗い、花粉の飛散が多い日は洗濯物や布団を外に干さないなど、部屋の中に花粉をいれないことがとても大切です。また、換気はなるべく少なくし、部屋の掃除はこまめに行い、空気清浄機を置くなどしましょう。