記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
2017/10/17
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
体内の鉄分が不足することで起きる貧血で、若い女性に多いです。
血液中の赤血球は、体のすみずみにまで酸素を運ぶ役割を持っています。鉄分が不足すると赤血球を作れなくなるため、体に酸素を運ぶことができなくなり、めまいやたちくらみ、息切れ、だるさといった症状があらわれます。
若い女性は毎月月経で血液を失うため、鉄欠乏性貧血になりやすいです。また鉄欠乏性貧血の原因として、消化管出血が隠れていることもあります。
頭痛、頭が重い感じ、めまい、立ちくらみ、息切れ、動悸、体のだるさといった症状があらわれます。若い人で、階段をのぼるとすぐに息切れをするような人は要注意です。
血液検査でヘモグロビン(Hb)の量や、赤血球の大きさ、体の中の鉄分の貯蓄量などを調べます。
貧血の原因として、鉄欠乏性貧血以外を疑う時は、別の血液検査や骨髄検査、胃カメラ、大腸カメラが行われることもあります。
鉄剤の飲み薬で治療します。治療して1ヶ月ほどで貧血は改善してきますが、体の中に十分な鉄分を貯蓄するために、数ヶ月の治療が必要です。
鉄剤の副作用として、吐き気などの消化器症状があらわれることがあります。飲む回数やタイミングについて、医師と相談してください。
・食事で鉄分を十分にとるようにしましょう。鉄分は鶏・豚・牛のレバー、かつおやまぐろ、ほうれん草や小松菜、ひじきに多く含まれています。植物よりも動物の鉄分の方が吸収が良いので、積極的に肉類や魚介類をとるようにしましょう。
・鉄分は動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に食べると吸収率が高まります。新鮮な野菜や果物を一緒に食べましょう。
・赤血球をつくるためには、ビタミンB12や葉酸という栄養素も必要です。これらは下記のような食べ物に多く含まれています。
ビタミンB12:牛レバー、豚レバー、魚介類、貝類、卵黄、チーズなど
葉酸:牛レバー、豚レバー、卵黄、大豆、納豆、ほうれん草、ブロッコリーなど
・妊婦さんは、通常よりも多くの赤血球が必要で、貧血になりやすいです。妊娠したら食事やサプリメントで積極的に鉄分をとるようにしましょう。立ちくらみ、めまい、息切れなど、貧血で見られる症状があった場合は、早めに医療機関で調べましょう。