変形性関節症
2017/3/28
概要
関節炎は、関節の炎症(腫れ)です。 痛みを引き起こし、たいていは影響を受ける関節の動きも制限されます。 関節炎には多くの種類があります。
変形性関節症は、関節炎の最も一般的なタイプです。 変形性関節症は、体内の関節に影響を与え、骨の間のクッション層(軟骨と呼ばれます)が磨耗する原因となります。
原因
正確な原因は不明です。 変形性関節症は遺伝性の可能性があり、それは家族間で発症することを示しています。 骨関節炎は、ほとんどの人にとって何年にもわたって関節につけられた摩擦やこすれが要因になっているようにみえます。 しかし、摩耗とこすれだけでは、変形性関節症は起こりません。
関節が影響を受けた場合
通常、軟骨の滑らかな層は、関節の骨の間のパッドとして働きます。
軟骨は関節をたやすく、かつ、気持ちよく動かすのに役立ちます。人によっては、関節を使っていくうちに軟骨が薄くなることがあります。 これが骨関節炎の始まりです。 時間が経つと、軟骨が磨耗し、骨同士が擦れる可能性があります。
骨は、関節端で棘のように成長しすぎる可能性があり、軟骨が断片化し動きの妨げになる可能性があります。これは、痛み、関節の腫れ、およびこわばりの原因になることがあります。
変形性関節症を発症する人とは?
変形性関節症は、長期にわたって関節を使うことで発症するため、高齢者ではより一般的です。
関節を使って同じ動作を繰り返したり、長期にわたって単に関節を使っていても、変形性関節症が悪化する可能性があります。
若い人も変形性関節症を発症する可能性があります。 特に、アスリートは関節を酷使するので危険です。
同じ動作を繰り返す必要がある職業に就いている人にもリスクがあります。関節を負傷すると、後で関節炎のリスクを高める可能性があります。また、過体重も、膝、腰、および背骨の関節炎を早める可能性があります。
診断
医師は痛みについて問診します。 医師はおそらく、関節の痛みが何かの活動によって悪化しているか、また、安静にして良くなるかどうかを尋ねます。医師は関節を動かすのに支障があるかどうかを調べます。
医師は、調子が悪い関節のX線撮影を依頼して、痛みを引き起こしているものを検査することもできます。血液検査は、他の種類の関節炎を除外するのに役立ちます。
治療
変形性関節症の治療法は見つかっていませんが、適切なプランを実行すれば、活動的に過ごし、関節を損傷から守り、ケガを抑え、痛みをコントロールできるようになります。医師は、適切なプランを作成するのを手伝ってくれるでしょう。
関連質問
関節炎の悪化
骨関節炎は時間とともに悪化する傾向があります。 しかし、自分のためにできることはたくさんあります。
できるだけアクティブな状態を保つことが重要です。 関節が痛むと、関節を使用しない傾向があり、筋肉は弱くなります。 こうなると、関節があまり効果的に機能しなくなり、関節の周辺を動かすのが難しくなる可能性があります。 これにより痛みが増し、関節炎のサイクルが再び始まります。 痛みをコントロールする方法について医師に相談してください。そうすれば、この問題を避けることができます。
薬
市販薬は、医師の処方箋なしで購入できる薬です。 炎症を軽減する非ステロイド性抗炎症薬や鎮痛薬などの一部は、気分を良くするのに役立ちます。 非ステロイド性抗炎症薬には、アスピリン、イブプロフェンおよびナプロキセンが含まれます。 アセトアミノフェンは、一般的な鎮痛剤です。 医師は鎮痛薬や、特定の種類の関節炎の治療に使用される非ステロイド性抗炎症薬など、処方箋が必要な薬を処方することもできます。 非ステロイド性抗炎症薬は、関節の炎症、腫れ、痛みを軽減することで役立ちますが、誰でも処方箋画必要な非ステロイド性抗炎症薬を服用できるわけではありません。
薬は賢く、関節を動かし続けるのに必要な量だけを服用することが大切です。 薬を服用しすぎると、副作用のリスクが高くなる可能性があります。
特別な機器の利用
特殊な装置とさまざまな方法で、関節炎を患っている人はできるだけ独立した状態を保つことができます。 これらの機器は、関節を保護し、動かし続けるのに役立ちます。
たとえば、正しい方法で杖を使うことを学ぶ場合、最大で60%、歩行時に体重が股関節にかける圧力の量を減らすのに役立ちます。 特別な装置が関節炎に役立つと思われる場合は、医師に相談してください。
運動の有効性
運動することで筋肉を強く保ち、柔軟性を保つのを助けます。 関節を歪ませない練習が最適です。 痛みやケガを避けるためには、休憩時間を挟みながら短時間で行える運動を選んでください。 ダンス、重量挙げ、自転車乗りは、関節炎を患っている人にとっては良い運動です。
筋肉を締め付けてから、何度も弛緩させてみてください。 主要筋群すべてにおいて、これを行うことができます。 また、地元のプールやコミュニティセンターで利用できる「アクアエクササイズ」プログラムを試すこともできます。 こうしたプログラムには、プール内で行う動きが含まれています。
新しい運動プログラムを開始する前には医師に相談してください。
痛みを和らげるための温め
温めると、痛みや硬さが減少することがあります。 温かいお風呂、ホットタオル、お湯ボトルまたはカイロなどで熱を加えることができます。 アイスパックと交互に使って、温冷を繰り返してみてください。
自分でできる対処法
・太りすぎであれば体重を減らす
・定期的に運動する
・できることなら、理学療法士に診てもらう
・杖やその他の特殊な器具を使用して関節を保護する
・重いものを持たない
・関節を酷使しない
・物を引っ張って移動させない。押して移動させる。
・医師が勧める薬を服用する
・痛みやこわばりを減らすために温冷パッドを使用する
関節炎を発症した人のための特別装置
・杖、歩行器および副子の利用
・靴に中敷またはパッドを入れる
・衣類に特別なファスナー(マジックテープなど)をつける
・工具やキッチン用品に大きなグリップをつける(ペンのような細い持ち手に緩衝材や布を巻く)
・壁に据え付け型のジャーオープナーを使う
・缶開け器やナイフなどを電気製品にする
・可動式シャワーヘッドを利用する
・バスタブ用のバスシートと握り棒を使う