前立腺肥大症(BPH)

2017/3/17

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

概要

前立腺肥大症(以下、BPHという)は、男性の前立腺を侵す病気です。 前立腺は、膀胱(尿が貯留されているところ)と尿道(尿が通過するところ)との間にある腺で、男性が年をとるにつれて、前立腺は徐々に大きく成長(または肥大)します。
前立腺は大きくなるにつれて、尿道が圧迫され、尿の流れが遅く、より弱くなります。 「良性」とは、肥大が癌または感染によって引き起こされていないことを意味します。

症状

BPHのほとんどの症状は徐々に始まります。 1つの症状は、夜間に頻繁に起きて排尿する必要があることです。 別の症状は、昼間にしばしば膀胱を空にする必要があることです。 他の症状には、尿の出始めおよび排尿後の尿滴下が困難になることがあります。 尿流および強さ(要説明)が低下することがあります。
膀胱感染や膀胱癌などの、より重篤な疾患の兆候である可能性があります。 上記の症状がある場合は医師に相談し、検査を受け可能性のある原因を見つけるようにしてください。

診断

医師が症状の完全な経過を調べた後、直腸検査が次のステップになります。 直腸検査では、医師は前立腺の後ろを把握するために、手袋をして潤滑剤を塗った指を直腸に入れて前立腺を検査します。この検査で、医師は前立腺の大きさを把握できます。
前立腺の問題が良性であることを確認するために、医師は感染の兆候について尿のサンプルを調べる必要があるかもしれません。 そして、血液検査も行うかもしれません。 超音波検査や前立腺の生検は、さらに詳しく調べることができる方法です。

治療

症状が良性の前立腺の成長によって引き起こされていることを医師が確信したら、治療を推奨することがあります。 しかし、症状が改善するかどうか経過をみることを提案するかもしれません。 ときに、軽い症状は自然と改善することもあります。 症状が悪化したら、医師は別の治療法を提案するかもしれません。
1つの選択肢は、低侵襲治療です。 これは手術を伴ないません。 治療のほとんどでは、尿道を圧迫する前立腺組織を破壊するために熱を使用します。
最小侵襲治療は通常、総合病院においてではなく、医師の診療所で行うことができます。
手術は最も効果的な治療と考えられ、他の治療が試みられた後も持続する強い症状を有する男性に行われます。 これはまた、前立腺癌の早期診断と治療に最適な方法です。 外科手術は通常、尿道を介して行われ、瘢痕は残りません。 外科手術には出血、感染、インポテンスなどのリスクがありますがこれらのリスクは一般的に少ないことがわかっています。

服用薬

薬物治療が可能です。 フィナステリドとデュタステリドは、前立腺を肥大させるホルモンを遮断しますが、すべての患者で有効なわけではありません。 フィナステリドの副作用はまれで軽度ですが、性機能に多少の影響を与えることがあります。この影響は薬を止めればなくなります。 前立腺は薬を中止すると再び肥大することがありますので、医師は別の治療法を提案するかもしれません。
α遮断薬と呼ばれるもう1つの種類の薬は、BPHの症状を軽減することがあります。 α遮断薬は、高血圧を治療するために長い間使用されてきましたが、BPHの症状を軽減することにも役立ちます。 これらの薬には、テラゾシン、ドキサゾシン、タムスロシンおよびアルフゾシンがありますが、 すべての男性で効果があるとは限りません。 α遮断薬の副作用には、めまい、疲労およびふらつき感が報告されています。 薬の服用をやめると副作用は消失します。

医師に相談するための質問

・最良の治療法は何ですか?
・治療はどれくらいの期間続くでしょうか?
・手術は選択肢のひとつですか?
・治療には副作用がありますか?
・前立腺癌を発症するリスクが高いことを意味しますか?
・排尿を楽にするためにできることはありますか?
・この症状はBPH以外のものによって引き起こされていますか?
・治療には性機能に対する副作用はありますか?

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