偏頭痛

2017/3/17

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東大医学部卒、医学博士

三上 貴浩 先生

概要

偏頭痛は、通常、数時間または数日間続く強烈な頭痛です。激しい痛みや脈打つ痛みは、通常、額、頭の側面または目の周りから始まり、次第に悪化します。 ちょっとした動き、活動、明るい光や大きな雑音で、さらにひどくなるように感じます。 吐き気と嘔吐もあるのが一般的です。
偏頭痛は1年に1~2回だったり、毎日のように起きたりします。また、男性より女性のほうが偏頭痛になりやすいです。

症状

偏頭痛には、典型的偏頭痛と普通型偏頭痛の2種類があります。

典型的偏頭痛

典型的偏頭痛は、「オーラ」と呼ばれる前兆で始まります。 このタイプは、「前兆を伴う偏頭痛」と言われるもので、 点滅する光、色、線のパターン、または影が見えることがあります。 視力など、視野の一部を一時的に失ったり、体の片側に筋肉の衰弱や不自然なかゆみやほてりが出たり、コミュニケーションに支障をきたしたり、うつ、不快感、不安感を感じることもあります。
前兆は約15~30分続きます。頭痛の前後に起きたり、痛みと重なったり、あるいは痛みは起きない場合もあります。 典型的偏頭痛は、頭の片側か、両側で生じます。

普通型偏頭痛

普通型偏頭痛は前兆で始まらないため、「前兆のない偏頭痛」とも呼ばれます。典型的な偏頭痛よりもゆっくりと始まり、より長く続き、日々の活動にもっと影響します。普通型偏頭痛の痛みは、頭の片側だけに生じます。偏頭痛を持つ人の大半は、普通型偏頭痛です。

偏頭痛はどう感じる?

偏頭痛の痛みは激しく、毎日の生活のなかで起こります。症状はすべての人にとって同じではありません。 偏頭痛の可能性のある症状として、以下のようなものがあります。中には、頭痛が始まる数時間前に偏頭痛の「予感」がする人もいます。「予感」には、エネルギー過多、疲労、食べ物の渇望、渇き、気分の変化などがあります。

偏頭痛で起こりうる症状

・頭の片側または両側に激しい激痛または鈍い痛み
・身体活動によって悪化する痛み
・吐き気または嘔吐
・ぼやけた視野や見えづらさといった、見え方の変化
・光、雑音または悪臭が気になる
・疲れや落ち着きのなさ
・鼻づまり
・悪寒や汗をかく感じ
・首のこわばり、もしくは触れると痛む
・意識もうろう
・頭皮に触れると痛む

原因

偏頭痛の正確な原因はわかりませんが、セロトニンと呼ばれる体内の化学物質のレベルの変化によって部分的に引き起こされるようです。セロトニンは体内で多くの役割を果たし、血管に影響を与えます。 セロトニンレベルが高いと血管は収縮し、セロトニンレベルが低下すると血管は拡張して腫れます。この腫れが、痛みやその他の問題を引き起こす可能性があります。偏頭痛は、脳内で電気的活動が広がるパターンに沿って進むという研究結果も出ています。

偏頭痛のリスク要因とトリガーは?

偏頭痛になる可能性を高めるいくつかの要因は「リスク要因」と呼び、 偏頭痛を引き起こす要因を「誘因(トリガー)」と呼びます。
普通型偏頭痛のリスク要因として、以下のものがあります。
<家族歴>
両親に偏頭痛持ちがいる場合、偏頭痛を発症する可能性は非常に高くなります。
<性別>
女性のほうが、男性より偏頭痛を持つ可能性は高いです。
<年齢>
たいてい思春期に最初の偏頭痛があります。何歳からでも始まりますが、ほとんどの場合、40歳以前に始まります。

そして、普通型偏頭痛のトリガーは以下の通りです。
<食べ物と飲み物>
特定の飲食物(下記参照)は、偏頭痛の誘因となり得ます。脱水、ダイエット、または食事を抜くことで、偏頭痛のトリガーになることもあります。
<ホルモンの変化>
女性は、月経周期、閉経、または避妊薬、ホルモン補充療法に関連する偏頭痛を発症することがあります。
<ストレス>
ストレスによって、偏頭痛が引き起こされる可能性があります。 自宅や職場で気が遠くなったりするほか、運動のしすぎや睡眠不足がストレスとなっている場合もあります。
<感覚>
大きな音、明るい光(フラッシュの光や日光)、きつい臭い(塗料など)が原因で偏頭痛を引き起こすことがあります。
<医薬品>
特定の医薬品が偏頭痛を引き起こすことがあります。 偏頭痛が薬に関連していると考える場合、医師に相談してください。
<病気>
風邪やインフルエンザなどの感染症は、特に小児に偏頭痛を生じさせる可能性があります。

偏頭痛を引き起こす可能性のある食品

・熟成させたり、加工したり、保存処理したり、缶詰にしたもの(ハム、ニシン、ペパオーニ、ソーセージなど)
・熟成したチーズ
・アルコール飲料(特に赤ワイン)
・人口甘味料
・アボカド
・豆
・ビール酵母(ケーキ、ドーナツ、サワー生地のパンを含む)
・カフェイン(過剰に摂取した場合)
・缶詰のスープまたは固形ブイヨン
・チョコレート、ココア
・乳製品(バターミルク、サワークリームなど)
・イチジク
・レンズ豆
・肉の軟化剤
・グルタミン酸ナトリウム(MSG)
・ナッツとピーナッツバター
・タマネギ(味付けのために少量使った場合を除く)
・パパイヤ
・パッションフルーツ
・エンドウ豆
・オリーブやピクルスなど塩漬け、保存処理、あるいはマリネされた食品やスナック食品
・レーズン
・プラム
・ザワークラウト
・シーズンドソルト(塩、ハーブ、香辛料、香料を混合したもの)
・サヤエンドウ
・しょうゆ

診断

医師は、症状によって偏頭痛を診断し、必要に応じて検査を行います。医師は、ほかの原因が存在しないことを確認するため、血液検査や脳の画像検査を行う場合があります(MRIまたはCATスキャン)。 また、医師は、偏頭痛を引き起こす可能性のあるものを特定するのに役立てるために、「頭痛日記」を書くように依頼することもあります。

治療

偏頭痛治療薬には2種類あります。ひとつは 「進行を阻止するタイプ」の薬で、頭痛が重度になるのを止め、頭痛の痛みを和らげることに焦点を当てています。偏頭痛を患っていると思うなら、すぐに服用すべきです。もうひとつは 「予防タイプ」の薬と呼ばれるもので、頭痛の発生頻度を減らすための薬が含まれます。
2つのタイプのうちどちらが最適か、医師に相談してください。中には両方使用する人もいます。非処方薬および処方薬は、頻繁または大量に使用した場合、他の問題を引き起こす可能性があります。

関連質問

どの薬が偏頭痛の鎮痛に役立つ?

軽度から中度の偏頭痛の場合、偏頭痛の軽減に役立つ市販薬はアスピリン、 アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェンが挙げられます。
より重度の偏頭痛には、「進行を阻止するタイプ」の処方薬を試してみます。 エルゴタミンと呼ばれる薬は、単独で、または他の薬と組み合わせて効果があります。ジヒドロエルゴタミンはエルゴタミンに関連し、有用な可能性があります。そのほかの偏頭痛処方薬として、スマトリプタン、ゾルミトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタンおよびフロバトリプタンなどがあります。
痛みが消えない場合は、麻酔成分やバルビツール酸を含む、より強力な鎮痛薬が必要になることがありますが、習慣性があるため、慎重に服用する必要があります。
また、偏頭痛に対処するために以下を試してみてください。
・暗く静かな部屋に横になって楽になる
・額や首の後ろに湿布または冷たい布をのせる
・頭皮を強い力でマッサージする
・こめかみを強く押す

予防

頭痛が月に2回以上起こる場合や、頭痛が仕事や体の機能に影響する場合、偏頭痛の予防薬が役に立ちます。 薬は、頭痛の有無に関わらず、毎日服用します。予防のために使用する医薬品の例として、特定の抗うつ薬、抗発作薬、心臓血管薬、ボトックス注射、フキの抽出物など挙げられます。

自分でできる対処法

偏頭痛を患わないようにするための確実な方法はありませんが、役に立つことはいくつかあります。
・定期的に食べ、食事を抜かない
・定期的な睡眠習慣を維持する
・定期的に運動する
肥満は偏頭痛の原因になります。有酸素運動(ウォーキング、ランニングなど)は緊張を軽減し、体重の抑制に役立ちます。
・偏頭痛日記をつける
偏頭痛を引き起こす原因、と最も効果的な治療法の把握に役立ちます。

医師に相談するための質問

・どのようにすれば偏頭痛を予防できますか?私が改善できる生活習慣はありますか?
・薬で偏頭痛を治すことはできますか?
・偏頭痛の副作用にはどのようなものがありますか?
・偏頭痛を記録する日記に何を書くべきですか?
・子どもは偏頭痛を抱えたまま成長しますか?

この記事に含まれるキーワード

偏頭痛 アセトアミノフェン イブプロフェン アスピリン スマトリプタン ゾルミトリプタン ナラトリプタン