記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/3/17
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
痛風は、尿酸結晶が1つ以上の関節で形成されることに起因する関節炎の一種です。尿酸は体がプリン体と呼ばれる物質を分解するときに形成される物質です。この物質は通常、血液に溶けていて、腎臓を通過し、尿で排泄されます。痛風のある人は、尿酸が蓄積し、関節に鋭い針状の結晶を形成することがあります。これは罹患した関節に痛みおよび腫れを引き起こします。
痛風の症状は突然起こることがあります。通常夜間に始まり、しばしば足の親指の関節で始まります(足、足首、膝、手、手首の関節でも起こります)。罹患した関節は赤くなり、熱を持ち、痛みがあります。それに触れると、関節がさらに痛くなります。
プリン体を豊富に含む食品を過剰に摂ると、痛風リスクが高くまります。これらの食品には、サーモン、イワシ、内臓肉(ホルモン)、アスパラガス、キノコ、ニシンがあります。太り過ぎやアルコールを大量に飲む人、高コレステロール、糖尿病または高血圧を持っている場合、痛風を発症する可能性がより高まります。男性は女性よりも発症する確立は高いですが、女性は閉経後に痛風を発症する可能性があります。また、痛風は遺伝性です。
痛風の原因となる可能性のある薬には以下のものがあります。
・高血圧を治療するために使用される特定の利尿薬(利尿剤)
・ナイアシン(ビタミンB群)
・アスピリン(低用量)
・シクロスポリン(移植手術後の拒絶反応を防ぐために使用されます)
・癌を治療するために使用されるいくつかの薬物
・ピラジナミドおよびエタンブトール(結核の治療に使用されている)
治療を受けるのが早ければ早いほど、痛みが早く消えます。治療は薬により腫れや痛みを和らげます。痛風発作は数日後に消えるはずです。発作がある間は、動物性タンパク質の量を減らすとともにアルコールを飲まないようにしてください。
痛風が発作した場合は、睡眠をとります。その際、関節の上に氷嚢を置くことにより、痛みを緩和できます。関節に服や寝具の重さがかからないないようにしてもよいでしょう。イブプロフェンやナプロキセンなど、処方箋がいらない炎症や痛みを軽減する薬も役立ちます。医師から薬を処方されることもあります。
治療を受けていない場合、痛風発作は数日から数週間続くことがあります。発作が続くと、多くの関節が影響を受け、さらに発作が長引くことがあります。
長年にわたり痛風発作がある場合は、痛風結節を発症することがあります。これは尿酸結晶で、皮膚の下に塊を形成します。痛風結節は通常、つま先、指、手および肘に形成されます。また、尿路に集まる尿酸結晶から腎疾患や腎結石が発生することがあります。時間が経つにつれて、関節周囲の骨も痛風によって破壊されることがあります。
痛風発作を防ぐための薬が処方されます。これらの薬は関節から尿酸を排泄し、腫れの軽減、体内の尿酸の量を減らします。アスピリンはこれらの薬が作用する方法を妨げる可能性があるので、併用する場合は事前に医師に相談してください。
太り過ぎであれば体重を減らすべきです。高血圧や高コレステロール、糖尿病がある場合は、これらの症状の治療を受け、低塩、低脂肪の食事に変えるべきです。
アルコールやプリン体を多く含む食品は避けてください。からだから尿酸を排泄するために水分をたくさんとってください。
・どのような治療法が最適ですか?
・症状はいつ改善すると思いますか?
・長期の関節損傷になる危険性はありますか?
・他のタイプの関節炎の危険性はありますか?
・自宅で痛みを和らげ、関節の損傷を緩和するために、どのような生活を心がければいいですか?