記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
痔瘻は、肛門の内側(肛門腺)と肛門のすぐ外側の皮膚との間にできるトンネルから膿が出る疾患です。
膿瘍(膿が溜まる腫れた部分)は、排便によって悪化する肛門周囲の強い痛みと腫れを引き起こし、肛門周辺の穴から膿を排出することがあります。
痔瘻は通常、以前にできた膿瘍に起因します。膿が排出されると、直腸と皮膚との間に通路(瘻)が残ります。ほとんどの痔瘻は、その箇所にできた膿瘍が要因となり発症します。
膿瘍は、クローン病(炎症性腸疾患の一つ)、外傷、またはSTD(性行為感染症)によって引き起こされることがあります。
痔瘻は、膿瘍箇所の検査で診断することができます。瘻孔(ろうこう)を診察する際、瘻孔の深さと方向を検査します。結果によっては、追加検査が必要な場合があります。
ほとんどの肛門周囲膿瘍は、局所麻酔で排出できます。もし瘻孔が発生した場合、手術で瘻孔を除去することになります。
瘻孔が取り除かれたら、抗生物質を服用する必要があります。治るまで、肛門の膿瘍箇所にパッドを着けることもあります。
また、腰湯は症状を和らげるのに効果的です。
腰と臀部が浸かるようにぬるま湯を浴槽に満たしてください。医師の指示がない限り、石鹸や泡などの製品を使用しないでください。一回に約10分間、1日3〜4回、腰湯でリラックスしてください。
・痔瘻手術後は、どれくらいで通常の活動を再開できますか?
・食生活を変えるべきですか?
・痔瘻手術からの回復期に便軟化剤や下剤を使ってもよいですか?