不正出血

2017/3/28

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東大医学部卒、医学博士

三上 貴浩 先生

概要

不正出血は、月経以外の子宮からの異常出血です。月経中に大量の出血をすることも、不正出血と診断されることがあります。月経中に7日間以上持続する出血がある場合は「月経過多」と呼ばれる症状です。月経過多の女性の場合、1時間あたり1つ以上のタンポンまたは生理用ナプキンを使用しなければいけないほどの出血を伴うことがあります。

原因

原因はさまざまです。 妊娠は一般的な原因ですが、子宮内のポリープまたは子宮筋腫(きんしゅ)もまた出血の原因となります。 まれに、甲状腺機能不全、子宮頸部の感染や子宮がんも異常な出血を引き起こします。
ほとんどの女性の場合、不正出血はホルモンバランスの乱れが原因になります(機能性子宮出血)。ホルモンバランスの乱れで起きる異常な出血は、10代や閉経に近づいている女性に多くみられます。
不正出血の原因となる症状はいくつかありますが、これらの症状はどの年代でも起こるものです。なお、年代によってその原因は異なります。

10代から30代の場合

10代から30代の女性の場合、一般的な原因は妊娠です。女性は正常な妊娠をした最初の数カ月で不正出血をすることがあります。また、避妊薬または子宮内避妊器具を使っても不正出血をする場合があります。
不正出血のある若い女性の中には、月経周期中に排卵しないことがあります。これは月経が始まったばかりの10代の女性によくみられる症状です。これは、体内のエストロゲンが子宮内膜を厚くなりすぎるほど成長した場合に、ホルモンバランスが崩れてしまうために起こります。月経中に体が子宮内膜を排出すると、出血がとてもひどくなります。ホルモンバランスが乱れていると、内膜を体外に排出する時期がずれる場合があります。
このため、月経でもないのに不正出血が起きてしまうことがあるのです。

40代と50代前半の場合

閉経直前や閉経後は、排卵をしなくなります。これが不正出血(重い生理や軽い不正出血を含む)の原因となります。
子宮内膜の肥厚は、40代と50代の女性の出血のもう一つの原因です。 この肥厚は子宮がんの兆候です。 異常な子宮出血があり、この年齢層にいる場合は、医師に相談する必要があります。加齢に伴う正常な変化かもしれませんが、子宮がんが原因ではないことを確認することが重要です。

閉経後の女性

ホルモン補充療法が、閉経後の不正出血の一般的な原因です。その他の原因として、子宮内膜がん(子宮体がん)および子宮頸がんがあります。これらのがんは、若い女性よりも高齢女性でより一般的です。もっとも、がんは必ずしも不正出血の原因ではありません。閉経後にほかの多くの問題が出血を引き起こすことがあります。
このため、閉経後に出血がある場合は、医師に相談することが重要です。

治療

出血の原因、年齢、将来妊娠したいかどうかによって、治療方法がいくつかあります。 ホルモンバランスの乱れが異常な出血を引き起こしていると診断された場合、出血が改善するかどうかを待つこともあります。治療の選択肢には以下のものがあります。

避妊薬

経口避妊薬にはホルモンが含まれており、子宮内膜が厚くなるのを防ぎます。 また、月経周期を規則正しく保ち、生理痛を軽減するのにも役立ちます。いくつかのタイプの避妊薬、特にプロゲスチンのみの錠剤(ミニピル)は、実際には異常な出血を引き起こす可能性があります。もし、服用している薬が異常な出血をコントロールできなければ医師に知らせてください。

子宮内避妊器具(IUD)

避妊薬で出血をコントロールできない場合、医師はIUDを勧めることがあります。 IUDは、妊娠を防ぐために医師が腟を介して子宮内に挿入する小型のプラスチック製の器具で、ホルモンを放出したり異常な出血をかなり減少させることができます。 避妊薬と同じく、IUDが異常な出血を引き起こす場合があります。その際は医師に相談してください。

子宮内膜掻爬(そうは)術(D&C)

子宮頸管の開口部を十分に拡大し、手術器具を子宮内に挿入する手術です。子宮の内膜を掻爬(そうは)するために使われます。除去された内膜は、異常な組織がないかについて検査室で検査されます。 D&Cは大量の出血をしている場合に、全身麻酔下で行います。

子宮摘出術

子宮を除去する手術です。 子宮摘出術を受けた場合、以後月経はなく、妊娠することはできません。子宮摘出術は全身麻酔と入院が必要な大がかりな手術で、長い回復期間が必要な場合があります。子宮摘出術のリスクと利点については医師に相談してください。

子宮内膜切離術

子宮の内壁を破壊する外科手術で、子宮摘出術とは異なり子宮は除去されません。子宮内膜切除は、一部の女性では月経出血を止める可能性がありますが、子宮内膜切除の後、依然として軽い月経出血があります。術後に定期的な月経があれば妊娠する可能性があり、何らかの避妊薬を使用する必要があります。
最新の子宮内膜切離術では、全身麻酔または入院を必要としません。術後の回復時間は、子宮摘出後の回復時間よりも短くなります。

医師に相談するための質問

・異常な子宮出血の原因は何ですか?
・症状は深刻ですか?ほかに健康上の問題のリスクがありますか?
・どのような治療法が適切でしょうか?
・治療のリスクとメリットは何ですか?
・将来妊娠することができますか?

この記事に含まれるキーワード

妊娠 閉経 子宮 不正出血 ホルモンバランス 異常出血