大腸癌

2017/3/21

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

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概要

結腸癌は大腸(結腸)の癌です。 直腸癌は、直腸(肛門に最も近い大腸の一部)の癌です。これらの形態の癌は多くの共通の特徴を有しており、大腸癌と呼ばれます。
大腸癌で命を落とすのは、多くの場合、発見が遅すぎるため、効果的な治療ができない場合に起こります。大腸癌が早期に発見されれば、通常は治療可能であり、生命を脅かすものではありません。

症状

ほとんどの大腸癌はポリープとして始まります。 ポリープは最初、結腸壁の小さく、無害な腫瘍として表れます。しかし、ポリープが大きくなると、癌に変異する可能性があります。
以下の兆候がある場合は、医師に相談してください。ほかの状態がこれらと同じ症状を引き起こす可能性があるため、原因を調べるために受診したほうがよいのです。
・直腸からの出血
・血便、あるいは排便後、便器内に血液が付着している
・便の形や固さの変化(数週間続く下痢や便秘など)
・下腹部のけいれんのような痛み
・排便を必要としないときの不快感や便意
・衰弱または倦怠感
・意図しない体重減少

大腸癌の検査はいつ受けるべき?

結腸直腸癌は特に高齢者において発症することが一般的であるため、主に50歳以上の人が検査をうけます。
若年時に大腸癌を発症するリスクがある人もいるため、次の場合には、若い年齢での検査が必要です。これらのグループに所属している場合は、大腸癌のリスクを持たない人よりも頻繁に検査を受ける必要があります。
・過去に大腸癌またはポリープを患ったことがある
・大腸癌またはポリープの家族歴がある
・潰瘍性大腸炎またはクローン病がある
・遺伝性大腸癌症候群がある

診断

検査を受けると、ポリープやがんが大きくなって何らかの症状を引き起こす前に見つけることができます。 早期発見は、癌をより効果的に治療できることを意味します。大腸癌の検査には以下のようなものがあります。

直腸指診検査

医師が手袋をした指を直腸内に挿入し、腫瘍を探します。

バリウム注腸検査

液体を直腸内に注入し、X線で結腸の状態を見えるようにします。

便潜血検査

便に血液があるかどうかチェックします。

便DNA検査

便中の、結腸癌または前癌状態のポリープからこぼれ落ちた細胞の検査を行います。

大腸内視鏡検査

薄く柔軟なチューブを直腸に挿入し、結腸全体を観察します。チューブは、検査中にポリープおよび癌除去のために使うこともできます。

仮想大腸内視鏡検査

これはコンピュータ断層撮影(CT)装置を使って結腸の写真を撮る検査です。

治療

結腸または直腸の癌にかかっている場合、医師は様々な治療法を説明します。
<腫瘍除去手術>
結腸癌および直腸癌の主な治療法です。
<化学療法>
癌細胞を殺す薬物による治療法です。大腸癌や直腸癌が再発するリスクがある場合によく使われます。
<放射線療法>
X線によりがん細胞を殺す治療です。これは、直腸癌の手術の前後に使用することがあります。手術後に放射線療法と化学療法が併用されることもあります。

癌の病期分類とは?

医師は、大腸癌のレベルを追跡するための病期(ステージ)の段階を使用します。 これらの病期は、ステージI~IVと呼ばれます。 このステージで、結腸または直腸の壁に癌がどれだけ深く存在するか、および癌がリンパ節(感染と闘う細胞を産生し、貯蔵する小さな組織)またはほかの器官にどのくらい広がっているかを表します。

<ステージI>
癌は初期段階です。治癒する可能性が高く、結腸癌または直腸癌もこの段階では、手術単独で治癒率が高いものです。
<ステージII>
ステージIIの癌は、腫瘍がステージIの癌よりも壁に深く、おそらく周辺の組織内に腫瘍が成長していることを表します。 がんが直腸にある場合、腫瘍を切除する手術の前に、放射線療法と化学療法の両方を勧められるかもしれません。
<ステージIII>
ステージIIIは、癌がリンパ節に広がったことを意味します。この状態の場合、癌が再発するリスクは高いです。 最近の研究では、手術に加えて化学療法、放射線療法、またはその両方を併用すると生存率が改善され、癌が再発しない可能性があることが明らかになっています。
<ステージIV>
最も進んだステージです。 結腸または直腸癌では、癌が肝臓または骨といった体の別の部位に広がっていることを意味します。これは遠隔転移と呼ばれます。ステージIVの転移性癌はほとんど治癒不可能でしょう。症状をコントロールし、生存期間を延長させるために化学療法が行われます。

医師に相談するための質問

・大腸癌の検査はどのくらいの頻度で行うべきですか?
・自宅で行うことができる便潜血検査についての情報を見てきました。大腸癌を検査する良い方法ですか?
・大腸癌のリスクがありますか?
・大腸癌の治療によって治癒するのですか?
・治療はどれくらいの期間続きますか?
・治療が終わった後、大腸癌の検査はどれくらいの頻度で行われますか?
・数週間、便秘や下痢を経験しました。これは大腸癌の可能性がありますか?
・大腸癌の最もよい検査は何ですか?
・大腸癌は家族内で発症する病気ですか?

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