子宮内膜がん

2017/3/21

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

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概要

子宮内膜がんは、文字通り子宮内膜のがんです。子宮内膜とは子宮の内面のことで、子宮内膜がんは、早期に発見された場合、正常に治療できるケースがほとんどです。子宮内膜がんを早期に発見するため、異常な出血があった場合はいつでも医師に報告してください。

症状

子宮内膜がんの最も一般的な兆候は、膣からの異常な出血、特に閉経後の出血です。

原因

子宮内膜がんの発症リスクが高くなる要因はいくつかありますが、1つの要因は年齢です。子宮内膜がんは、50歳以上の女性に発症しやすいといわれています。

また、体内の高濃度のエストロゲンも、子宮内膜がん発症の要因です。エストロゲンレベルが上昇する要因は、体重過多、高血圧、糖尿病などさまざまなものがあります。
なお、プロゲスチン(プロゲステロン)を服用せずにエストロゲン補充療法を行うと、子宮内膜がんのリスクが上昇する可能性があります。このため、女性ホルモン補充療法(HRT)は、通常、エストロゲンおよびホルモンプロゲスチンの組み合わせで行われます。エストロゲンは子宮内膜の成長を刺激し、プロゲスチンは子宮内膜をエストロゲンから保護します。実際、妊娠可能な時期にエストロゲンとプロゲスチンの両方を含む避妊薬を使用すると、子宮内膜がんのリスクが低下するようです。

子宮内膜がんの発症リスクを高める可能性のあるその他のものには、
・12歳未満の初潮
・50歳以降の閉経
があります。

また、一度も妊娠していない女性やタモキシフェンという薬を服用している女性は、より発症リスクが高まる可能性があります。

診断

子宮内膜がんは、以下の1つまたは複数の検査によって診断されます。あなたに合った検査方法については、医師に尋ねてください。

・子宮内膜生検
通常、診察室で行われます。膣を通して狭い管を子宮内に挿入し、子宮内膜から少量の組織を採取します。採取された組織は、癌性または前癌性の細胞の有無について検査室で検査されます。この検査には数分で終わることがほとんどです。

・子宮頸管拡張および掻爬術(D&C)
子宮壁の掻爬および吸引を行い組織採取をするために、子宮頸部(子宮口)の拡張をし器具を挿入する方法です。D&Cは外来手術でもあります。検査には約1時間かかり、通常は全身麻酔が必要です。

・画像検査
重度の高血圧、肥満、糖尿病、または他のタイプの癌などの特定の医学的状態を有する患者に実施されます。上記の患者は、安全に麻酔をかけるのが難しい可能性があるため、MRIスキャン、CTスキャン、超音波などの画像検査で診断するのが効果的なのです。

治療

治療方法には、子宮、卵管や卵巣の除去手術も含まれます。
高濃度のエストロゲンを安定させるためにプロゲスチンを摂取する治療法や、放射線療法や化学療法といった治療法もあります。治療は非常に効果的であり、特にがんが早期に発見された場合に有効です。

医師に相談するための質問

・すでに閉経しましたが、まだ出血しています。子宮内膜がんですか?
・子宮内膜がんを患っています。娘が患うリスクは高いですか?
・子宮摘出術が必要ですか?
・子宮摘出術する場合は、術後ホルモン剤を服用する必要がありますか?
・治療はどれくらいの期間続くでしょうか?
・かつてタモキシフェンを乳癌治療のため服用しました。定期的に子宮内膜がんの検査を受けるべきですか?
・治療を終えたら、どのくらいの頻度で経過観察のための検査を受ける必要がありますか?
・子宮摘出術の副作用にはどのようなものがありますか?

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