HELLP(ヘルプ)症候群

2017/3/21

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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概要

HELLP(ヘルプ)症候群は、妊娠中まれに発生する重篤な病気です。この病気は、妊娠の最後の3カ月(妊娠後期)で最も多く発症します。出産後、すぐに発症することもあります。HELLP症候群では、溶血、肝酵素の上昇、血小板数の減少が起こります。
HELLP症候群は、出血や肝臓、血圧の問題を引き起こす可能性があり、それは母親と赤ちゃんの両方に影響する可能性があります。

症状

HELLP症候群になると、疲れを感じたり、お腹の右上部分に痛みが出るかもしれません。また、ひどい頭痛や吐き気、嘔吐があるかもしれません。特に顔や手がむくむかもしれません。ごくまれに、歯ぐきやその他ほかの場所からの出血に気づくこともあります。
多くの健康な妊婦も妊娠後期に上記の症状が出るので、HELLP症候群かどうかを確かめるのは難しいかもしれません。これらの症状がある場合、または血圧が高い場合、血液検査が行われます。

原因

HELLP症候群の原因はまだ正確には解明されていません。どのような人がそれを発症するのかも予測できません。妊婦なら誰でもでもこの病気になる可能性があります。
HELLP症候群の女性のほとんどは、発症する前に血圧の問題を抱えています(しかし、血圧が正常であってもHELLP症候群を発症することがあります)。
すでに子どもがいる場合、または過去の妊娠で問題があった場合は、発症する可能性も高くなります。

治療

HELLP症候群の主な治療法は赤ちゃんを出産することです。場合によっては、予定日よりも早く出産しなければならないかもしれません。この病気を患っている女性は、赤ちゃんが生まれてから数日後には容態が回復し始めることが多いです。
ステロイド剤を服用する場合もあります。この薬は妊婦と赤ちゃんの両方に役立ちます。
出血がある場合は、病院で輸血やその他の治療が必要な場合があります。
HELLP症候群の女性の中には、非常に重い症状になる人もいます。まれに、致命的な症状になる場合があります。

予防

この病気を防ぐ方法はありません。定期的に医師に診てもらい、そのつど症状について伝えてください。
最初の妊娠でHELLP症候群がある場合、次の妊娠でもHELLP症候群を再発することがあります。2回目の発症は通常それほど深刻なものではありません。

医師に相談するための質問

・高血圧です。HELLP症候群の危険にさらされていますか?
・どんな血液検査が必要ですか?
・早く赤ん坊を出産する必要がありますか?これは赤ちゃんの健康にどんな危険をもたらしますか?
・以前の妊娠中にHELLP症候群を経験しました。もう一度発症しますか?この妊娠中にHELLP症候群を予防するために何かできますか?

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