パニック障害

2017/3/21

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

概要

突発的に激しい恐怖や不安を感じる状態を「パニック障害」といいます。たとえば、
「仕事に行くために車で外出すると、突然胸が締め付けられて心臓がドキドキしはじめる」
「めまいがして気分が悪くなり、息ができない、死ぬかもしれないという状態になる」
といった症状をいいます。

パニック発作は、数分から数時間続くことがあります。たまにしか起こらないかもしれないし、頻繁に起こるかもしれません。原因やきっかけがはっきりしないこともあります。

パニック障害は、少なくとも2つのパニック発作が理由なく現れた後で診断され、その後少なくとも1カ月間、別の発作が発生するかどうかを継続観察します。治療をしないと、パニック発作は「恐怖症」へと発展する可能性があります。

恐怖症とは?

恐怖症は、何か特定のものに対して起きる、極端で不合理な恐怖感です。人ごみ、橋、ヘビ、クモ、高所、開かれた場所、または社会的な恥ずかしさなど、さまざまな恐怖症がたくさんあります。

恐怖症は、正常な生活の妨げになる場合にのみ、問題とみなされます。上記の何かを恐れるあまり外出できない場合は恐怖症といえるでしょう。

症状

パニック発作には、以下のような身体的症状が現れます。

・震え
・心臓がドキドキする、心拍が速い
・発汗
・胸の痛みや不快感
・息切れ、息が苦しい
・吐き気
・けいれん
・めまいや脱力感
・手、腕、足または脚の刺すような痛み
・悪寒
・夢をみているような感覚

まれに狂ったり、死んでしまったりすることもあります。一度に上記の症状がすべて起きることはまれですが、少なくとも4つの症状をもつとパニック障害と診断されます。

パニック発作で起こる症状の多くは、心臓、肺、腸または神経系の疾患の症状と同じです。パニック障害とほかの疾患との類似点は、パニック発作時およびパニック発作後の恐怖および不安を増大させる可能性があることです。「本当に心臓発作で死んでしまう」と感じることもあるでしょう。

パニック発作の恐怖は、「広場恐怖症」の要因となります。広場恐怖症の人は、公共の場所でパニック発作を恐れているか、逃げる方法がないと思っているため、自宅(または別の安全な場所)を離れることが困難な場合があります。

診断

パニック発作を起こした多くの人は恥ずかしさや、薬を飲むことの恐怖から医療機関を受診しません。しかし、パニック発作がある、または可能性がある場合には医師の診察を受けることが重要です。医師は、パニック発作がパニック障害に関連するのか、別の問題によって起こされているのかを診断してくれます。

治療

パニック発作やパニック障害をコントロールする簡単な治療法があります。
まず、パニック発作の症状を抑えたり、発作を止めたりできる薬があります。

そのひとつが抗うつ薬です。
抗うつ薬は不安とパニック発作を予防するのに非常に効果的で、パニック発作を完全に止めてくれます。軽度の副作用がありますが、コントロールを失ったり人格を変えることはありません。必要な期間、何年でも使用することができます。

ただし、処方薬の服用を勝手に止めてはいけません。服用を中止する必要がある場合は、医師の指示のもとで数週間かけて徐々に減らさなければなりません。

また、カウンセリングもパニック発作やパニック障害の治療に非常に有効です。利用可能なカウンセリングの種類については、医師に相談してください。
カウンセリングは薬ほど速くは機能しませんが、同じように有効です。カウンセリングと薬の併用は、パニック発作やパニック障害の治療に効果的であるという報告もあります。

治療の目標は、パニック発作を完全に止めることです。人にもよりますが少なくとも6〜9カ月の治療期間が推奨されます。
パニック障害の薬を服用していれば、ほんの短い時間で治療を中止することができますが、薬を使用しなければ、長期間または生涯にわたって治療を続ける必要があります。

医師に相談するための質問

・パニック障害の原因は何ですか?
・どのような治療法がありますか?
・薬を飲むべきですか?
・ずっと薬を飲み続けなければなりませんか?
・試してみるべき治療法がありますか?
・どのくらい長く治療にしなければならないでしょうか?
・家から出ることが怖いです。どうすればよいでしょう?
・治療後に、パニック発作が再発する可能性はありますか?

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