溶血性尿毒症症候群(HUS)

2017/3/21

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

概要

溶血性尿毒症症候群(HUS)を有する人は、溶血性貧血(不十分な赤血球)、血小板減少(不十分な血小板)および腎不全が起こります。溶血性尿毒症症候群のほとんどの症例は、大腸菌に感染した後に発症します。大腸菌は人や動物が、消化管に持っている細菌です。大腸菌株が激しい腹部けいれんおよび出血性の下痢や他の問題を引き起こします。これらの大腸菌株は、血管の内壁を損傷する毒素を生成します。赤血球が損傷した血管を通過すると、それらは破壊されます。

溶血性尿毒症症候群にかかる人は?

誰でも溶血性尿毒症症候群を発症する可能性がありますが、子どもや高齢者が発症することが多いです。

症状

溶血性尿毒症症候群の症状は、下痢が始まって5~10日後に現れます。以下のいずれかの症状に気づいた場合は、医師にご相談ください。
・疲労
・青白い肌
・原因不明な傷や出血
・顔、手、足、その他身体の一部が腫れる
・排尿の減少

どんな場合に溶血性尿毒症症候群にかかる?

溶血性尿毒症症候群のほとんどの症例は大腸菌感染後に発生します。次のいずれかにより、大腸菌に感染する可能性があります。
・調理されていない牛肉を食べる(たとえば、中の肉がピンク色のハンバーガーを食べる)
・汚染された(不純な)水を飲む
・殺菌されていない(生の)牛乳を飲む
・洗っていない、汚染された生の野菜や果物を食べる

治療

大腸菌に感染した人のほとんどが溶血性尿毒症症候群になるわけではありません。感染した場合、腎臓の機能を見てもらうために病院に行く必要があります。溶血性貧血、血小板減少症がある場合は、それぞれ輸血が必要な場合があります。
腎不全の場合は透析が必要です。透析中、血液から老廃物を濾過するために機械が使用されます。透析は、重症の溶血性尿毒症症候群の場合にのみ行われます。
溶血性尿毒症症候群と診断されたほとんどの人は、完治するまで治療を続けます。

予防

大腸菌感染のリスクを下げるために、以下のことを行ってください。
・調理前に、石鹸で手をよく洗う
・完全に火が通るまで、ひき肉を炒める
・冷蔵庫や電子レンジで肉を解凍する。室温で解凍するために、キッチンカウンターに肉を置かないこと
・生肉と卵は、ほかの食品とは別に保管する。生肉や卵がまな板や食器などに触れたら、お湯と石けんで洗う
・きれいな水で果物や野菜を洗う
・きれいな水だけを飲む
・殺菌されていない牛乳を飲まない
・冷蔵または冷凍保存する
・熱い食品は熱いまま、冷たい食品は冷たいままにしておく
・残り物はすぐに冷やす。または捨てる
・下痢を起こした人は、お湯と石けんを使って、30秒以上頻繁に手を洗う
・デイケアセンターや高齢者の家庭で働いている場合、頻繁に手を洗う
・汚れた湖や川で泳がない
・家畜をなでた後は手をよく洗う

医師に相談するための質問

・どのような治療法が最適ですか?
・なんで大腸菌感染症になりましたか?
・服用できる薬はありますか?
・透析が必要ですか?
・家族に大腸菌感染の検査を受けさせるべきですか?
・腎臓に生涯にわたって損傷が残りますか?
・食事にはどのような変更を加える必要がありますか?
・託児所で働いています。大腸菌に感染していることを保護者の方に知らせるべきですか?
・牛ひき肉を食べるのを止めたほうがいいですか?
・どのくらいの頻度で手を洗えばいいですか?

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