H1N1インフルエンザ

2017/3/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

概要

H1N1インフルエンザは、インフルエンザウイルスに起因する感染症です。豚で発生するインフルエンザウイルスのようなものだったため、「豚インフルエンザ」とも呼ばれていましたが、ヒトにも影響を与えます。

症状

症状には以下のものがあります。
・発熱
・喉の痛み
・咳
・筋肉の痛み
・頭痛
・寒気
・疲労
・鼻水や鼻づまり
・嘔吐
・下痢

診断

症状だけでもH1N1インフルエンザと診断されることがあります。簡易検査では、インフルエンザがあるかどうかを確認できますが、これらはH1N1ウイルスだけでなく他の多くのウイルスも検出してしまいます。H1N1ウイルスのみの検査もできますが、結果を得るには数日かかります。また、すぐに治療を開始することが望ましいため、症状がH1N1インフルエンザを指している場合、詳細な検査は行わずに治療に入るケースもあります(H1N1の流行中で、多くの人が感染している場合に特に当てはまります)。

治療

H1N1インフルエンザのほとんどの人は、投薬しなくても改善するでしょう。ただし、インフルエンザの合併症のリスクがある場合、または次の場合に投薬が必要になることがあります。

・重度の病気にかかっている
・インフルエンザにかかっている抵抗力の弱い人(2歳未満の子ども、65歳以上の成人、妊娠中の女性、慢性的な病気を持つ人や免疫系の弱い人など)
・インフルエンザにかかっており、息切れなどより深刻な感染の兆候がある
・19歳未満で、長期のアスピリン療法を受けている

上記に当てはまる場合は、オセルタミビルやザナミビルなどの抗ウイルス薬を処方されることがあります。抗ウイルス薬はインフルエンザウイルスの複製能力を低下させ、病気の時間を短縮し、重症度を減らし、合併症を予防することができます。症状が出始めたらすぐ処方するのが最も効果的です。

自分でできる対処法

熱がある場合は、解熱剤で治療することができます(アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンなど)。こういった薬には痛みや苦痛を和らげる作用もあります。
ただし、ライ症候群のリスクのため、アスピリンを18歳以下の子どもに与えないでください。ライ症候群は深刻な病気であり、死に至ることがあります。
また、体がウイルスと闘えるよう、十分な休息と大量の水分をとることも大切です。

予防

次のことを心がけ、感染を予防しましょう。

・咳やくしゃみをするときに、鼻と口をティッシュで覆う
・ティッシュがない場合は、手ではなく上腕に咳やくしゃみをする
・使用済みのティッシュはごみ箱に捨てる
・石けんと水やアルコール系の手指消毒剤で手をよく洗う
・目、鼻、口に触れないようにする
・病気の人に近づかないようにする
・化粧品、食べ物や飲み物、スポーツ用品や事務用品などを他の人と共有しない
・病気になったら仕事や学校へは行かず家にいて、人に近づかない
・熱が下がっても、少なくとも24時間は家にいる

関連知識

H1N1インフルエンザと季節性インフルエンザとの違いは?

H1N1インフルエンザは、季節性インフルエンザのように感染がウイルスによって引き起こされるものですが、H1N1インフルエンザ患者は25歳未満の人に多いです。季節性インフルエンザは65歳以上の人に感染する傾向があります。

豚肉を食べるとH1N1インフルエンザにかかる?

いいえ、H1N1ウイルスは豚肉(豚肉加工品)を食べても感染しません。

H1N1ワクチンについて

ワクチンは、特にインフルエンザの合併症のリスクが高い人たちに接種することが推奨されています。以下に該当する人はワクチン接種をおすすめします。

・妊娠中の女性
・生後6ヵ月未満の乳児と一緒に暮らすあるいは世話をする人
・医療従事者
・生後6ヵ月の乳児~若者
・H1N1ウイルスの合併症のリスクがある人(喘息や心臓病など免疫系が弱い人や慢性的な病気をかかえた人)

H1N1ワクチンは安全?

はい。H1N1を防御する季節性インフルエンザワクチンは非常に安全だと考えられています。まれに、ワクチンに対するアレルギー反応を起こす人もいます。インフルエンザワクチンを受けた後に反応したことがあるか、鶏や卵のアレルギーがあるか、普通の風邪より高い熱や重症の疾患があるかを事前に医師に伝えてください。

どんな症状が出たら病院に行くべき?

ワクチン接種していない場合、体は単独でウイルスと闘うことになってしまいます。H1N1インフルエンザの可能性があると思われる場合は、病院にいく必要があるかどうか医師に相談してください。なお、H1N1インフルエンザで医師の処置が必要となる兆候は次のとおりです。

・呼吸困難
・息切れ
・意識障害
・水が飲めない
・寝起きが悪い
・症状が消えた後に、発熱と咳が再発する
・発疹を伴った発熱
・神経過敏

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