全般性不安障害

2017/3/22

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

概要

日常生活において心配、緊張感、恐れなどに直面したときに感じる「不安感」は、危険を警告する身体の「警報システム」として役立ちますが、こうした「不安感」が突然の発作や恐怖に変わる場合があります。

全般性不安障害(GAD)は、特定の出来事や状況とは関係のない「不安感」をコントロールできずに日常生活に支障をきたす病気です。特に小児のGADは、健康な心を失うことにつながる場合があります。

症状

GADの人は日常生活に支障をきたすほど心配を抱えており、一日一日を非常に緊張した状態で生活しています。症状は以下のとおりです。

・睡眠障害
・筋緊張
・神経過敏
・集中力がない
・疲れやすい
・落ち着かない
・緊張している
・イライラする
・ふるえ
・息切れ
・心拍数が速い
・口が渇く
・めまい
・吐き気

上記の症状がある、または多くの時間を緊張したまま過ごしている場合は医師に相談してください。
まずは問診により、その症状を引き起こしている原因を確認することになります※。

※特定の薬がGADを引き起こすことがあります。また、甲状腺機能亢進症やうつ病がある場合もこれらの症状を呈することがあります。ただ、原因がわからない場合は、GADの治療を受ける必要があります。

原因

GADは不安障害と同じで、危険がないのに誤ってアラームシステムを起動してしまう症状です。身体の中で何らかの均衡が崩れているか、薬の副作用または病気に関連して発症する可能性があります。

治療

GADを治療するには、不安や心配への対処法を学ぶ必要があります。不安障害があると思われる場合は医師に相談してください。不安に対処する治療計画を立て、何があなたを緊張させるのかを理解するためのカウンセリングや、不安を和らげる薬を処方してもらいましょう。

自分でできる対処法

以下は、不安に対処するためのヒントになります。参考にしてください。

・心配をコントロールする
「心配」が現れる場所と時間を予測し、毎日、同じ場所と時間で30分間、何をすることができるか考えてください。「起こるかもしれない」ことではなく、「本当に起こっている」ことに集中して一日を過ごしてください。

・リラックスする方法を学ぶ
筋弛緩、ヨガ、深呼吸などの方法を試してください。深呼吸の手順は以下になります。
1.平らな面に横になる
2.おへそのすぐ上、胃の上に片手を置き、もう一方の手を胸の上に置く
3.胃が少し上昇するよう、ゆっくり呼吸する
4.息を少し止める
5.ゆっくりと呼吸して、胃を元に戻す

・筋肉の緩和
ある筋肉を数秒間強く押し続けたあと、指を離します。足から始めて身体の上の方へ、すべての筋肉にこの方法を試してみてください。

・定期的な運動
運動は幸福感を与え、不安感を軽減するのに効果的です。

・十分な睡眠をとる
睡眠は脳と身体を休め、気分だけでなく幸福感をも向上させます。

・アルコールや薬物乱用は避ける
アルコールや薬は一時的にはリラックスできますが、長期的には不安を悪化させ、より多くの問題を引き起こします。

・カフェインを避ける
カフェインはコーヒー、紅茶、清涼飲料水、チョコレートに含まれています。カフェインは神経系を刺激するので、不安感が増すことがあります。また市販のダイエット薬、うっ血除去薬を含む咳の薬や風邪薬を避けてください。

・過去に心配したことに直面する
以下の手順で、徐々に不安に向き合える心構えを整えていきましょう。

1.過去に不安に思ったことを思い浮かべる
2.その不安に慣れていく時間を設ける
3.本格的に向き合う

3の段階になっても不安を感じている場合は、リラクゼーション法を練習するか、100から0をくりかえし数えるなどの簡単な作業に集中してみてください。不安感は怖いものの、身体を傷つけることはありません。
また、恐怖のレベルを0から10にわけ、レベルが上下したときを記録するのもいいでしょう。このとき、非常に高いレベルに数秒以上とどまらないように注意してください。恐怖が現れたら、恐怖から逃げずに受け入れて立ち止まる時間をもってください。

・何が不安かを話す
医師は、不安に対処するカウンセリング計画を立て、怒りや不安を抑え、より多くコントロールできるようにしてくれます。

・行動する
最も重要なことは、行動することです。行動は、不安をコントロールする感覚を得るのに役立ちます。

・薬を服用する
不安を軽減するのに効果的な薬はたくさんあります。あなたに合った薬については、医師に相談して処方してもらってください。また、症状がなくなっても医師の指示があるまでは薬を飲み続けてください。薬を中止するときは医師の指示に従ってください。

医師に相談するための質問

・どのような治療法が最適ですか?
・薬を飲むべきですか?
・不安の原因は何ですか?
・不安をなくすためには、何をすべきですか?食生活を変えるべきでしょうか?
・どのような運動がよいのでしょうか?
・心配しないようにするには、どうすればよいですか?
・うつ病ですか?
・一生この薬を飲まなければなりませんか?
・GADの原因はありますか?

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