僧帽弁逸脱症

2017/3/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

概要

僧帽弁とは?

心臓には4つの部屋があります。僧帽弁には、左心房と左心室と呼ばれる2つの室の間の血液の流れを制御する機能があります。通常、心臓が拍動の間に弛緩するとき、僧帽弁の2つのフラップが開き、心房から心室へ血液が流れるようになります。フラップは基本的に一方向のみ開き、血液は一方向にしか流れません。

僧帽弁逸脱症とは?

僧帽弁が逸脱していると、僧帽弁のフラップが正常に機能しません。その結果として血液は心室から心房に逆流することがあります。
基本的には生まれつきの疾患で、 男性より女性の発症率が高いです。

症状

ほとんどの人は、身体検査中に見つけるまで僧帽弁逸脱症があることを知りません。しかし、次のような症状がある人もいます。

・心臓がドキドキしている、鼓動が弾むような感じ
・ときどきやってくる胸の痛み
・息切れ
・めまい
・不安またはパニック感

診断

定期検診中に見つかることが多いです。聴診器で心音を聴くと、僧帽弁のフラップのクリック音を聞くことがあります。逆流によって血液が心房に戻ってきたら、「シュッ」という音を聞がします(この音は心雑音と呼ばれます)。
僧帽弁逸脱症と判明した後は、弁がどれほどうまく機能しているかを知るために心臓の超音波検査を行います。

治療

僧帽弁逸脱症患者のうちほとんどの人は、何の治療も必要ありません。しかし、患者100人のうち約2人は合併症になることがあります。

僧帽弁逸脱症のある人は、競技スポーツへの参加を制限する必要があります。また、僧帽弁の逸脱が胸痛やその他の症状を引き起こす場合、症状を改善するためにβ遮断薬などの薬を処方されるかもしれません。弁を固定する手術が必要な人もいます。

重篤な僧帽弁逸脱症の例では、手術または歯科手術後に弁に感染(細菌性心内膜炎と呼ばれる)が起こるケースがあります。僧帽弁逸脱症がある場合は、歯科治療やその他の医療処置の前に医師に確認してください。感染から保護するための処置の前に抗生物質を処方するかもしれません。

医師に相談するための質問

・僧帽弁逸脱症はどのようにして罹患しましたか?生まれつきでしょうか?
・生命にかかわる病気ですか?
・食事や運動など、ライフスタイルを変更する必要がありますか?
・状態が悪化していることを示す症状にはどういったものがありますか?
・細菌性心内膜炎の可能性はありますか?
・どのような医学的または歯科的処置の場合に感染の危険性がありますか?
・処置を受ける前に抗生物質が必要ですか?

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