本態性振戦

2017/3/22

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

概要

本態性振戦は制御できないふるえであり、手や前腕部に最も頻繁に起こります。腕を体の前で伸ばしたとき、気付くことが多いです。
本態性振戦は、脳の特定の領域間の電気信号の異常によって引き起こされます。振戦による影響の出方はさまざまですが、症状にほとんど気付かないという人もいます。逆に、「本態性振戦のせいで恥ずかしい思いをした」という人もいるでしょう。

原因

本態性振戦の原因ははっきりとはわかっていませんが、遺伝性の可能性が高いと考えられています。親や他の近親者に振戦がある場合は、本態性振戦の可能性が高くなります。振戦はどの年齢でも始まる可能性がありますが、40歳以降に始まることが多いです。また、年を取るにつれて悪化することがあります。

振戦を引き起こす原因はさまざまですが、すべての振戦が本態性振戦とは限りません。
例えば、パーキンソン病が引き起こす振戦は、手をひざに置いているときや体の側面におろしているときに気づくことが多いです。脳卒中が引き起こす振戦は、何かに手を伸ばしたときに悪化する可能性があります。また、甲状腺の疾患や低血糖は、軽い振戦を引き起こす可能性があります。

なお振戦は、心臓薬、うっ血除去薬、呼吸障害の薬、三環系抗うつ薬などの薬によって引き起こされる可能性もあります。カフェインを含む飲み物も振戦を引き起こす可能性があります。

診断

頭や手がふるえたり、声がふるえたりした場合は、病院を受診してください。

日常生活の中では、スプーンやフォークで食べたり、コップで飲んだり、針を通したり、書くときに問題が生じるかもしれません。ふるえは、精神的・肉体的ストレス、疲労、熱によって悪化することがあります。

ふるえの症状が出た場合、病院では原因を探るために検査を行います。他の病気の可能性が考えられない場合、本態性振戦と診断されることになります。

治療

ふるえを悪化させるようなカフェイン、風邪薬、その他の特定の薬を避けることが望ましいです。

医師によっては、β遮断薬などの薬を処方することがあります。こうした薬は、振戦を完全に止めることはできませんが、薬によって振戦が和らぎ、不満や恥ずかしさを感じることなく日常生活を送れるようになります。振戦が生活にとても支障を来す場合や、改善がみられない場合、外科手術も可能です。

医師に相談するための質問

・本態性振戦は別の病気のサインですか?
・症状の軽減のためにできることはありますか?
・薬によって振戦はどのように改善されますか?
・加齢によって振戦は悪化しますか?
・本態性振戦は子どもたちに遺伝しますか?

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