ケロイド

2017/3/29

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

概要

皮膚が傷つくと、からだの細胞は瘢痕(はんこん)を形成することによって修復しようとしますが、まれに傷が治癒した後も瘢痕組織は長く形成され続けます。この余分な傷跡の組織を「ケロイド」と呼びます。

症状

肌に赤い隆起を起こします。傷つくことはありませんが、かゆみやヒリヒリ感を感じることがあります。

原因

ケロイドは、皮膚が焼かれたり切れたりした後に発症しますが、ボディピアスや入れ墨、または手術を受けたあとで発症することがあります。皮膚が傷ついてから3カ月以上後にケロイドがあらわれることがあり、何年にもわたって増大し続けることもあります。
以下のような場合、ケロイドが発症する可能性が高くなります。

・人種がアジア系、黒人、ラテン系
・30歳未満
・妊娠している
・10代や思春期の若者
・家族にケロイドを発症した人がいる

ケロイドは皮膚の色が濃い人では発生率が15〜20%高く、からだの特定の部位(胸、肩、耳たぶ、ほお)に多くみられる傾向があります。

治療

治療の目的は、ケロイドを平らにすることです。治療法には以下のものがあります。
・コルチコステロイド注射
・薬で瘢痕の炎症を止める
・シリコンシートで瘢痕を圧迫する
・レーザー療法

これらの治療の一部は高価で時間がかかるものです。大きなケロイドは手術で取り除くのが一般的で、ほかにもコルチコステロイド注射やシリコンシートの治療をすることで再発を防ぐことができます。

適した治療法は、個人によって異なります。どの治療法が適切かについては、医師に相談してください。

予防

ケロイドになりやすい人は、ボディピアスや入れ墨をしてはいけません。耳に穴をあける場合は、耳たぶの傷跡を減らすために特別なイヤリングを着用する必要があります。

また、何らかの手術をする場合、ケロイドになる可能性があることを医師が告知する必要があります。瘢痕になる可能性のある領域で手術をする場合、告知は特に重要です。
もし手術を行った場合は、手術直後に特定の治療(コルチコステロイド注射や圧迫包帯)をすることも、予防に効果的です。

医師に相談するための質問

・なぜケロイドができたのですか?
・手術を受けました。ケロイドにならないためにはどうすればいいですか?
・ケロイドの最良の治療法は何ですか?
・ケロイドを取り除くために手術が必要ですか?
・市販薬のクリームは効きますか?
・ボディピアスや入れ墨はしてはいけませんか?
・薬を服用する必要がありますか?
・薬の副作用はありますか?
・ケロイドを発症する危険性は高いですか?
・ケロイドは再発しますか?

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