離断性骨軟骨炎

2017/3/31

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概要

離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)は、関節に繰り返しかかる負荷などにより軟骨の一部と骨の薄い層への血流が低下し、骨端から浮いてしまうことで発生する関節の障害です。 緩んだ骨軟骨片は元の位置に留まっているか、あるいは関節内に落ちて関節が不安定になることがあります。 これにより、関節が「つぶれている」、または「邪魔している」という違和感や痛みを引き起こし、酷くなれば関節内に嵌り込んで関節を動きにくくする「ロッキング」と呼ばれる症状を引き起こします。 これらの関節内に落ち込んだ骨軟骨片、関節内遊離体はジョイントマウス(関節鼠)と呼ばれることがあります。
離断性骨軟骨炎は膝関節で最も頻繁に起こりますが、肘、足首、肩および股関節を含むほかの関節でも起こり得ます。

症状

離断性骨軟骨炎の症状には、以下のものがあります。
・罹患(りかん)した関節の腫脹(しゅちょう)
・腕や足を完全に伸ばせないなど、関節運動の減少
・動かしたあとの痛み
・休息後の硬直(こうちょく)
・関節が「固着する」または「固定されたような」感じ
・関節を動かすときのクリック音
これらの症状がみられたら骨軟骨炎を発症している可能性があります。 医師はレントゲンやCT、MRIなどを確認して、骨折、捻挫、骨軟骨炎などの関節痛の原因を考慮して診断します。

原因

だれにでも離断性骨軟骨炎に罹る可能性はありますが、10〜20歳の若い男性に起こりやすく、 特にスポーツをしているアスリート、体操選手や野球選手などが離断性骨軟骨炎になりやすいです。成長期の骨や軟骨はまだ柔らかく、スポーツにより繰り返される負荷の影響を受けやすいからです。

診断

離断性骨軟骨炎が疑われる場合、関節を見るためにX線検査をします。X線検査で骨軟骨炎の徴候がみられる場合は、ほかの関節とも比較することになります。 必要に応じ、CTやMRIを行うことでより詳細に病状を把握する事が出来ます。

治療

骨軟骨片が不安定な場合、それを固定したり損傷の程度によっては摘出してくる手術が必要な場合があります。 骨軟骨片が安定していれば手術は必要ないかもしれませんが、罹患した関節を休息させたり、スポーツをする際に関節を支えたり、鎮痛薬で痛みや炎症を抑える治療が必要な場合があります。

関連知識

スポーツを止める必要性

保存的治療が推奨される場合は、不快感を引き起こす動作や 競技スポーツは6〜8週間は避けるべきです。 また、理学療法としてストレッチ運動や水泳が勧められますが、病状の程度などにより個人差があるので主治医と相談しながらリハビリを行ってください。

離断性骨軟骨炎の治癒

若い人では通常の活動レベルに復帰できる可能性が高いですが、野球などの反復的な動きの多いスポーツを続けることは難しいかもしれません。 成人では手術を必要とする可能性が高く、後に患部関節に関節炎を発症したり、完全に治癒(ちゆ)する可能性は低くなります。いずれにせよ、より早く適切な治療を受けることで治る可能性はより高くなるため、気になったらなるべく早く受診すると良いでしょう。

医師に相談するための質問

・何がこの症状の原因なのでしょうか?
・離断性骨軟骨炎の最良の治療法は何ですか?
・症状が緩和されるまでにどれくらいの期間が必要ですか?
・いつスポーツに戻ることができますか?
・スポーツするのは安全ですか? どのようなことに気をつければいいですか?

この記事に含まれるキーワード

離断性骨軟骨炎(6) 関節(8) ロッキング(3) ジョイントマウス(1) 膝関節(3) X線検査(6)