クループ症候群

2017/4/7

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

概要

クループ症候群は、冬から春にかけてウイルスによって起こされる感染症で「急性喉頭炎」ともいわれます。
かぜのような症状から始まり、気管と喉頭が腫れ、声がかすれて犬の遠吠えのような咳(せき)が5〜6日間続きます。
5歳以下の子どもに多くみられ、また、未熟児で出生した場合もクループ症候群のリスクが高くなります。

症状

症状は、発熱、嗄声(させい;声のかすれ)、吠えるようなから咳です。1〜3歳の子どもではより重度になる傾向があり、夜間に悪化する可能性があります。
息を吸い込むときにゼィゼィ、ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)があることに気づいたときは、すぐ受診してください。

治療

軽症では、 十分な休息と、水分をたくさん飲むことで家庭で治療することができます。ゼーゼー、ヒューヒューという咳をしているときは、飲む水分の量を増やすことはとても重要です。
咳嗽(がいそう)薬は4歳未満の子どもには禁忌です。4歳未満の子どもには、アセトアミノフェンが処方されます。
湿った空気は呼吸をしやすくします。 これは「ミスト治療」と呼ばれ、家庭で簡単に行うことができます。ミスト治療の方法を以下に示します。
・子どもの寝室に加湿器を使用する
・鼻と口の上に、お湯で湿らせた布を置いた状態で呼吸させる
・浴室のドアを閉めてお湯のシャワーを出しましょう。浴室内に蒸気が立ちこめ曇ってきたら、浴室に子どといっしょに約10分間座ります。

冷たい空気は子どもの気道の腫れを軽減するのに役立ちます。 より涼しい時間帯に数分間外に連れて行くと、いくらか症状が軽快するかもしれません。
ほとんどのクループ症候群の症状は、家庭でのミスト治療でよくなりますが、症状がより重度であるか、ミスト治療が効果を示していないようなら医師に相談してください。

また、以下のような症状があるときは、すぐに受診してください。
・息を吸い込んだときに、ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴がある
・よだれが出たり、飲み込むことが困難になる。
・唇と鼻、口、爪の周りの皮膚が青みがかったり暗くなったりする(チアノーゼ)
・ミスト治療をしても、呼吸は一向によくならない
・不機嫌、イライラしている、不快感
・呼吸困難を起こしている
・悪化しているようにみえ、心配な場合

医師に相談するための質問

・いつも泣いているようです。 クループ症候群でしょうか?
・子どもの症状を和らげるためにできることはありますか?
・息をするときに口笛を吹くような音を出しますが、クループ症候群の症状なのでしょうか?
・子どもの部屋に高温または低温ミスト加湿器を使用する必要がありますか?
・いつ受診すればいいですか?
・症状を和らげるためにどのような薬がありますか?

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