頭部外傷

2017/4/7

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

概要

頭部外傷時に衝撃が頭蓋骨内の脳に伝わると、出血、脳組織の挫傷、脳の腫脹が起こります。ほとんどの人は頭部外傷から回復し長期的な影響はありませんが、重度の外傷を受けた場合深刻な症状を引き起こすことがあります。

症状

頭部外傷直後は代表的な症状としては頭痛や吐き気、めまいや。他の症状では、耳鳴り、頸部痛、不安、不調、過敏症、うつ、疲労感などがあります。頭部外傷の既往がある人は、集中したり、物事を覚えたり、思考をまとめたりなど、複雑なことをするのに問題が生じるかもしれません。これらの症状は通常数週間で消えますが、重傷の場合は1年以上続きます。

原因

重大な頭部外傷は、自動車事故時にシートベルトを着用していない人に起きたり、自転車やバイクの事故、スポーツ時の傷害、窓からの落下(特に子供)、家の中での転倒(特に、幼児や高齢者)などで起こる事が多いです。

診断

医師は、怪我の発生状況、嘔吐、けいれん発作、または傷害後の呼吸などに関する問題について問診します。場合によっては、CTやMRIなどの検査で脳の画像を撮り、損傷の程度をより詳細に調べる必要があります。
問診や検査の結果、医師が自宅で様子を見ても大丈夫と判断すれば帰宅も可能ですが、注意深く経過を追う必要があると考えた場合は患者に入院を勧めるでしょう。

合併症

永久的に脳損傷を引き起こす可能性は、傷害が脳のどの部位にどれくらいのダメージを与えたかによって決まります。
また、頭部外傷を負った人が受傷時のショックで受傷時周囲の出来事を忘れてしまうことがたまにあります。忘れてしまった記憶は戻ってこないかもしれませんが、回復後、新しいことを覚える能力にはほとんど影響が無いことが多いです。

関連知識

頭部外傷のタイプ

脳震盪(のうしんとう)

頭部外傷後の症状がありながら画像検査では脳の損傷部位がハッキリしない場合に使われることが多く、神経伝達物質の過剰放出による脳代謝の障害で脳機能障害が起こると考えられています。ほとんどの場合、外傷後に頭痛、あるいはめまいを感じ、しばらく視力やからだのバランスを失ったり、場合によっては一過性に意識を失うこともあります。通常は数週間以内に回復します。

脳挫傷

脳の打撲により脳組織が挫滅した状態です。脳の挫滅組織からの出血や腫れが見られることが多いです。

頭蓋骨骨折

時には、折れた頭蓋骨の辺縁が脳を傷付け、出血またはほかの傷害を引き起こすことがあります。

脳挫傷

頭蓋内で出血して血腫が形成され、脳実質が圧迫され症状を引き起こすことがあります。特に「急性硬膜外血腫」と呼ばれるものは、受傷直後は平然としているのに数時間後に急変する可能性があり、要注意です。

他にも、初回の画像検査では何も障害が明らかでなくても意識障害が遷延する場合には「びまん性軸索損傷」という障害を受けていたり、特にお年寄りなどでは受傷後数ヶ月かけて病状が進行する「慢性硬膜下血腫」という病気が残ることもあります。
したがって、頭部外傷を受けたことのある人が気分が悪くなったり、奇妙な行動をしたりなど様子がおかしい場合は、医師に相談することが重要です。

医師に相談すべきケース

以下の症状がみられる場合、医師に相談すると良いでしょう。
・頭痛、吐き気、眠気などの症状が悪化している状態
・吐き気がなくならない
・過敏性や錯乱などの異変
・拡張瞳孔(通常より大きい瞳孔)または左右で異なるサイズの瞳孔
・歩行がおかしくなったり会話が噛み合わなくなる
・耳や鼻からの出血や澄んだ液体の排液
・腕や脚の筋力低下やしびれ

医師に相談するための質問

・この頭部外傷は重症でしょうか?
・頭を打った後気を付けることはありますか?
・頭部の怪我の後、いつからスポーツを再開することができますか?
・頭部外傷による脳損傷はどのように治療できますか?
・家族の誰かが頭部外傷を負った場合、どうすればいいですか?
・頭部外傷後の痛みを和らげるのに薬を服用しても問題ないですか?

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