記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/4/12
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠糖尿病は、すべての妊婦の8-10%に影響します。通常、妊娠20週目の早い時期に発症し、多くの場合は産後に消失します。
主な症状としては高血糖が挙げられます。高血糖を放置すると、新生児が出産時に問題を抱えて生まれる可能性があります。たとえば、お産の時に肩が出てきにくい(肩甲難産)、新生児の血糖値が低い、黄疸がある、出生体重が通常よりも大きいなどがあげられます。
このほかにも、胎児が非常に大きい場合は出産が困難になり帝王切開が必要になるかもしれません。さらに妊娠中の糖尿病は、子癇前症(しかんぜんしょう)を発症するリスクも増加させます。これを未治療のまま放置すると母体や胎児の命に関わることもあります。
妊娠糖尿病は、妊娠中に始まる一種の糖尿病です。
糖尿病があると、からだは血中の糖(グルコース)を使用することができません。このため血中のブドウ糖のレベルが通常より高くなります。
定期的に運動しましょう。
血糖値をチェックするためには頻繁な血液検査と食事療法が必要になります。インスリンを投与し、血糖値をコントロールすることもありますので開始する必要がある場合は、必ず医師の指示に従ってください。食事療法では、医師と管理栄養士に相談し、バランスの取れた食事を摂ることが重要です。妊娠中の体重に応じて、食事ごとに量を減らす必要があります。ケーキ、クッキー、キャンディー、アイスクリームなど、糖質を多く含む食品は避けてください。
食事の間に空腹になったら、フルーツや、糖質量の明示された低糖質のおやつなどの健康的な食べ物を食べてください。全粒粉のパスタやパン、玄米は、白いパンや白米と比べて血糖値を急激に上げないため、あなたとおなかの赤ちゃんの両方に効果的です。
定期的に運動することも重要です。適度に運動をすることは血糖値を正常に保つのに役立ち、気分転換にも役立ちます。妊娠中のウォーキングは最も簡単にできる運動ですが、水泳や、自分が楽しめると思うその他の運動も有効です。運動に慣れていない場合は、毎日5~10分間運動することから始めます。慣れれば、運動時間を1回あたり30分以上に増やすことができます。運動すればするほど血糖のコントロールには役立ちますが、運動の仕方には注意する必要があります。あまりにも激しく運動したり、暑いところで運動しすぎないようにしてください。どんな運動をすればいいか医師に相談するのもよいでしょう。年齢にもよりますが、運動中の脈拍数が毎分140〜160回を超えないようにしましょう。また運動中にめまいがしたり、背中の痛みやほかの痛みを感じたら、すぐに運動をやめ、医師に相談してください。子宮収縮(陣痛)、性器出血、破水(はすい)したと感じた場合は、すぐに医師に相談してください。
産後、病院にいる間は血糖検査を受ける必要はありませんが、妊娠糖尿病がなくなるまでには産後数週間かかることがありますので、産後1〜2カ月後によくなったことを確認するための血液検査をします。
たとえ妊娠糖尿病が産後消失しても、次回の妊娠時やその後の妊娠備えて健康的な食事を摂ることが重要です。これらのことを行うことにより、将来、糖尿病になることを避けることができます。
定期的に血液検査をし血糖値を確認します。これらの検査では、食事と運動が血糖値を正常に保っているかどうかわかります。正常な血糖値は、試験前(空腹時)に何時間も食べていないときで1日当たり95mg未満で、食事後2時間以内に120mg未満です。
・妊娠しましたが妊娠糖尿病の危険はありますか?
・妊娠糖尿病のスクリーニングは通常の妊婦健診に含まれますか?
・どのような検査が必要ですか?
・妊娠糖尿病は赤ちゃんに健康上のリスクを与えますか?
・生活習慣の改善だけで妊娠糖尿病をコントロールすることはできますか?
・食事と運動にどのような改善を加える必要がありますか?
・どれだけの期間インスリン投与が必要ですか?
・産後、どのような経過観察や検査が必要でしょうか?