冠動脈疾患

2017/8/18

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

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概要

冠動脈は心臓に血液を運ぶ血管です。冠動脈疾患(CAD)は、冠動脈のアテローム性動脈硬化症によって狭心症や心筋梗塞を引き起こします。

症状

CADは発症するまでに数年かかることがあり、その症状は病気が進行するまで気づかないことがあります。 冠動脈が閉塞すると、以下の症状がみられることがあります。
・胸の締め付けられるような痛みや圧迫感
・息切れ

原因

高齢になるとCADを発症する可能性が高くなります。 冠動脈の肥厚した内壁に蓄積した脂質が血液の流れを妨げ、 心臓に十分な血液が供給されないことで起こります。
また、家族内で多くみられ遺伝性が関係しているともいわれています。
心臓病は、男女を問わず主要な死因となっています。 心臓病のリスク要因には、以下のものがあげられます。
・年齢
・家族歴
・高血圧
・高コレステロール
・喫煙
・偏った食事
・過体重または肥満
・不活発(座ってばかりいる生活様式)
・糖尿病

治療

CADを治療するためには、以下の薬が使われます。
・ β遮断薬
・カルシウム(Ca)拮抗薬
・硝酸薬(狭心症の治療に使われます)
低用量のアスピリンを毎日服用すれば、すでに1回心臓発作があった人では2回目の発作を抑えることができます。 ただし、服用にあたっては医者に相談してください。
また、すべての医薬品には副作用があります。 アスピリンは胃を痛め、硝酸塩薬はのぼせ(顔面の赤み)と頭痛、 β遮断薬はまれに疲労や性的な問題、Ca拮抗薬では便秘や脚の腫れを引き起こすことがありますが、 幸いにもほとんどの人はこれらの副作用はみられていません。薬を飲んだ後に副作用がみられたときは、すぐに受診して医者の診察を受けてください。
CADの外科手術には、以下の3つ方法があります。

冠動脈バイパス術(CABG)

心臓の血流を増やすために、脚から静脈または動脈の一部を取って心臓の動脈に縫合する外科手術です。

冠動脈インターベンション(PCI)

狭窄または閉塞した動脈内で細いステントを拡げることで血流を回復します。

予防

CADのリスクを減らすためには、以下の方法を試してください。

禁煙する

ニコチンは血圧を上昇させアドレナリンを放出し、血管が収縮し心臓をより速く鼓動させます。 喫煙している場合は、禁煙するための方法を医師に相談してみてください。

血圧をコントロールする

高血圧の場合は、医師の治療を受け、血圧を下げる方法を相談してください。 降圧薬を服用している場合は、医師の指示に従ってください。

運動する

定期的な運動は心臓を強くし、心臓病のリスクを減らすことができ高血圧を患っている場合にも役立ちます。 新しい運動を始める前には医師に相談してください。

健康的な食生活

果物、野菜、肉、魚、全粒粉食品を食べましょう。加工食品、白粉、砂糖、高果糖コーンシロップ類は避けてください。 “心臓によい食事”への変更方法については医師に相談してください。

これらの生活様式の変更は、CADリスクを低下させます。 生活様式の変更にからだが対応する時間も必要です。 数カ月間後にコレステロール値が改善しなかったら、医師はコレステロールを低下させる薬を処方するかもしれませんが、薬の働きを助けるために始めた健康的な生活様式は続ける必要があります。

医師に相談するための質問

・CADのリスクを軽減するためにどのように生活を変えたらよいでしょうか?
・どんな検査が必要ですか?
・動脈の閉塞はどのくらい深刻ですか?
・CADの最良の治療法は、薬ですか?手術は必要ですか?
・現在服用している薬があります。処方された薬を服用しても問題ないですか?

この記事に含まれるキーワード

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