外陰癌

2017/8/22

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

概要

外陰部とは、女性の肛門から恥毛の約3センチ下の、上部大腿部の間の皮膚および脂肪組織にできる癌です。しばしば陰唇と呼ばれる膣周囲の2つのひだに生じます。
外陰癌はあまり一般的ではありませんが、女性の性機能に影響を与える可能性があるため、非常に深刻です。
性行為は苦痛を伴い、困難になります。 早期に発見された場合、治癒率が高く治療の選択肢が増えるため、手術の可能性が低くなります。

症状

以下のような徴候が見られたら、医師に相談してください。
・外陰のかゆみが1ヵ月以上続く
・外陰の傷や痛みがいつまでも治癒しない
・外陰部に塊や腫瘤がみられる
・外陰が痛む
・外陰部からの出血がある(通常の月経出血とは異なる)
・治療後も性器の領域で焼けるような感覚が続く
・外陰部の母斑やほくろの大きさ、色、質感に変化が見られる

原因

外陰癌は、65歳以上75歳未満の女性が最もよくかかりますが、40歳以下の女性でもかかることがあります。 外陰癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされるこぶ状の生殖器疣贅に起因している可能性があります。

診断

医師が外陰部に異常を発見した場合、顕微鏡で調べるために小さな組織片を取ることがあります。 これは生検と呼ばれ、外陰癌の発症を知るための唯一の方法です。

治療

通常外陰癌は、外科手術、放射線療法、化学療法、またはこれらの治療の組み合わせで治療されます。治療の方法は、癌の大きさ、深さ、および広がりによって異なります。 医師は手術と他の治療法を比較のうえ検討します。 放射線療法が必要な場合もあります。
外陰癌が早期に発見され治療された場合の治癒率は90%を超えます。完治のためには、兆候が見られたらすぐ医師に相談し、生検を受けることが重要です。治療が終わっても、医師による経過観察を確実に受けるようにしてください。

医師に相談するための質問

・Papスミア(パップテスト)で外陰癌を発見することはできますか?
・外陰癌の最適な治療法は何ですか?
・外陰癌を予防する方法はありますか?
・過去に癌にかかったことがある場合、再発の可能性は高まりますか?
・外陰癌は遺伝しますか?

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