先天性心疾患

2017/5/2

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士 呼吸器内科専門医

山本 康博 先生

概要

先天性心疾患は、生まれつき心臓の構造に何らかの異常がある病気で、新生児100人のうち1人の割合でみられます。
先天的な心臓の異常は、単純かつ複雑で、その症状および治療は、心臓の病気の種類によって異なりますが、 先天性心疾患患児の多くが健康に成長することができます。

症状

症状は病気の種類によって異なります。 自然治癒(ちゆ)するものから、すぐに手術が必要なもの、難治性で重症なものまで、さまざまな病態がありますが多くは症状がありません。
重度の先天性心疾患は、新生児に以下の症状の1つ以上があります(思春期や成人でも以下の症状がみられることがあります)。
・速い呼吸
・皮膚、唇、および爪が青くなる(チアノーゼ)
・倦怠感や食事摂取不良
・心雑音(異常な音、聴診でわかる)
・息切れ
・からだを動かす時の疲労感

原因

先天性心疾患の原因は、いまだはっきりわかってはいませんが、以下のようなリスク要因が考えられます。
・家族歴:親または兄弟に先天性心疾患がある場合、先天性心疾患となるリスクは高い。
・遺伝的異常:ダウン症などの特定の遺伝病は、先天性心疾患のリスクを増加させます。
・感染:風疹のような妊娠中の特定の感染症は、先天性心疾患のリスクを増加させることがあります。
先天性心疾患の原因は、医師でさえわからないのです。 赤ちゃんに心臓の異常があるといって自分を責めないでください。

診断

重度の先天性心疾患は、妊娠中の超音波検査や出生直後に診断されます。 軽度の場合、成人期になるまでみつからないことがあります。
心臓病の検査は、心臓がどのくらい機能しているかを確認するものです。 検査には、以下のものがあります。

心電図(ECG)

心電図は心拍を線の波形で表示し、心臓の電気的活動を測定します。

パルスオキシメトリー

動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍数を測定するための装置です。血液中にどれくらいの酸素があるかわかります。

心臓超音波検査(心エコー)

超音波によって実際に動いている心臓の様子を評価して診断する検査です。

胸部X線検査

心臓がどれだけ正常に成長しているか、また新生児の肺に液体がたまっているかをみることができます。

心臓カテーテル法

カテーテルと呼ばれる細長い管を足の付け根、首、腕の動脈または静脈に挿入し造影剤を使用して、心臓の明確な画像を撮影します。

治療

治療は、心臓の病気の種類とその重症度に左右されます。 軽度では治療を必要としませんが、薬物療法または手術による治療が必要ですので医師に相談しましょう。
薬物療法が必要なら、医師の指示通りに服用させることが重要です。 服用し忘れないようにしてください。 服用し忘れた場合、追加の用量を与えるべきかどうかは、医師の指示に従ってください。
手術を必要とするような重度の先天性心疾患の代表的な手術は、「心室中隔欠損閉鎖術」と「フォンタン手術」の2種類です。
術後数日間は新生児集中治療室(NICU)に移され、医師と看護師の厳重な監視のもとチューブや機械で状態を追跡されます。

合併症

先天性心疾患の中で、以下のものは心臓疾患のリスクが高くなります。
・心内膜炎(心臓弁または心臓の内側の心内膜に感染巣をもつ敗血症の一種)
・肺高血圧症(肺動脈の血圧が異常に上昇すること)
・不整脈(心拍が速すぎるか遅すぎる、またはスキップすること)
・うっ血性心不全(心臓のポンプがうまく機能せず、肺やからだに体液が貯留すること)

医師に相談するための質問

・子どもの心臓の病気の原因は何ですか?
・どのような治療法がありますか?
・治療に伴うリスクは何ですか?
・回復期間はどのくらいですか?
・子どもの心臓の状態が悪化しているという徴候は何ですか?
・長期的に健康問題の危険にさらされますか?

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