記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2022/11/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
防寒のために厚手のコートや暖かいセーターを着こむ人は多いものです。しかし衣服で暖を取ろうとした結果、肩こりの症状を引き起こす可能性があることを知っていますか?この記事ではどうして冬の厚着が肩こりに引き起こすのかについて、原因と対処法を解説していきます。
冬は肩こりになりやすい季節です。肩こりには、さまざまな原因がありますが、冬の肩こりは以下が原因になることが多いといわれています。
寒くなると、体は血管を収縮させて体内の熱を外に逃がさないようにするため、血行が悪くなりやすいです。また、寒さは筋肉を緊張させ、さらに血行を悪くさせます。その結果、血行不良や老廃物・疲労物質の蓄積し、肩こりを引き起こすことがあります。
冬は寒さが厳しく、雪や冷たい雨など、天気が悪くなることも多いです。外出する機会が減り、運動不足にもなりやすくなります。運動不足は血行不良を招くため、肩こりを引き起こしやすくなります。
寒くなると、体を丸めて縮こまるなど、姿勢が悪くなりやすいです。姿勢が悪くなると肩によけいな力が入りやすいため、肩周辺の血行が悪くなり、肩こりを引き起こすことがあります。
厚手のコート、ジャケット、ニットなど、冬の防寒着は首や肩に負担がかかりやすいです。着心地に余裕がないものや重ね着のし過ぎは、肩こりを引き起こしやすくなります。
冬物のコートやセーター、ジャケットは重いので、着用時にこの重みが肩にかかります。とくに、厚めの生地で丈が長いタイプはさらに重くなるので、肩への負担も大きくなります。防寒着の重さで肩が押し下げられると、首の周囲の筋肉が下に伸ばされている状態になります。その結果、筋肉が緊張してこりが生じやすくなります。
また、首まわりの防寒対策として、タートルネックやマフラーなどを身につけることもあると思います。タートルネックやマフラーを着けると首元は暖かくなりますが、首と肩の動きが制限されてしまうと長時間同じ姿勢になりやすいため、血行不良を招く場合があり、その結果として肩こりや頭痛を引き起こすことがあります。
冬の肩こりを予防するために、どんな対策が必要なのでしょうか。以下に気をつけたいポイントをご紹介します。
体を動かすことで緊張していた筋肉がほぐれ、血流がよくなります。寒さを感じると人は体を丸く縮めがちですが、その姿勢を続けていると首、肩、背中の筋肉が伸びて固まってしまいます。簡単なストレッチなどをして、背中から肩や首にかけての筋肉をほぐしましょう。
冷えは血行不良を招きます。体を温めて血管を拡げることが肩こり予防につながります。湯船に入って温まるのは、リラックス効果も期待できるのでおすすめです。
自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが乱れると血行不良や筋肉の緊張などを引き起こし、肩こりが起こりやすくなります。自律神経のバランスを保つには質のよい睡眠が必要です。
体を丸めるなど、姿勢が悪くなると肩や首に力が入りやすく、筋肉も緊張しやすくなります。背筋を伸ばした正しい姿勢を心がけ、筋肉に負担をかけないように気をつけましょう。
防寒着の着方と選び方にも気をつけましょう。首や肩、背中に負担がかからない方法を選ぶのがおすすめです。
寒いからといって厚着をしすぎると、体の身動きが制限されます。体の可動範囲が狭まり、同じ姿勢を長時間維持してしまうと肩こりになりやすいです。寒さをがまんしすぎるのもよくありませんが、首や肩に重みのかかるような厚着は、本当に寒い日などに限定するようにしましょう。
タートルネックのセーターを着るときはできるだけ首まわりがゆったりしているものを選ぶなど、体の動きを制限しすぎない服を選ぶようにましょう。服を選ぶときは、実際に着て首・肩・腕が楽に動かせるかどうかを確認し、着たときに深呼吸ができるかも試してみましょう。浅い呼吸しかできない場合、服に余裕が足りていない可能性があります。
寒さを感じるとつい徹底的に防寒着を着こみたくなりますが、防寒着の着方と選び方次第では肩こりを引き起こしてしまいます。防寒着は厚着しすぎないこと、ゆったりした着心地のものを選ぶことがポイントです。また血行不良と睡眠不足は筋肉に悪影響を与えますので、適度な運動や良質な睡眠をとるように心がけましょう。