記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2021/3/31
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
認知症は、複数の原因疾患からさまざまな症状を発します。このため、症状の現れ方に個人差が大きくなるのが特徴です。この記事では、認知症状のなかでも特に個人差の大きい「周辺症状」について、その定義や進行のきっかけ、対応のうえで心がけるべきことをご紹介します。
認知症状には、大きく分けて「中核症状」と「周辺症状」と呼ばれるものがあります。このうち、「周辺症状」は認知症そのものによる脳機能の低下に付随して起こる「外界への神経機能の反応」と考えられています。認知症による周辺症状では、以下のような行動・精神症状が現れます。
認知症による周辺症状は、以下のような認知症による中核症状から派生するかたちで発症・進行していきます。
たとえば、自分の行動・発言・体験・約束を忘れてしまう記憶障害は、混乱や周囲の家族・介護者への疑いを生じさせ、妄想や拒絶、暴言・暴力の周辺症状の原因となります。認知症の周辺症状は、認知症の中核症状を経験することで生じ、少しずつ募っていく不安や混乱をきっかけに発症し、進行していくのです。
周辺症状は、進行すると本人と周囲の介護者の日常生活を妨げ、生活の質を著しく下げたり、介護上の経済的負担を増やす一因ともなってしまいます。以下を参考に対応して、認知症による周辺症状の改善・軽減を目指しましょう。
一方、以下のような対応を取ると、認知症による周辺症状を進行させて状況を悪化させてしまう恐れがあります。
認知症による周辺症状は適切に対処すれば改善しやすく、間違った対応をすれば悪化しやすいと言われています。患者本人と介護者、双方のために適切な対応を知っておきましょう。
認知症による認知機能の低下ではなく、これに付随して発症・進行していく行動や精神症状のことを周辺症状と言います。主に認知症の中核症状から起こる混乱や不安、周囲の人への不信感から生じるものです。認知症の周辺症状は、適切に対応すれば改善しやすく、誤った対応をすれば悪化しやすいとされます。患者本人と介護者の双方が少しでも長く快適に暮らせるよう、適切な対応を確認しておきましょう。