かゆくてかわいそう!?~子供の湿疹、ケアと防ぐための対策は?

2017/6/5

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

小さな子供の肌は滑らかで柔らかく、頬ずりしたくなるほどきれいです。でも、子供の皮膚は斑点やしみ、かゆい湿疹のできる病気に免疫がありません。

ここでは、小さな子供によく見られる肌の状態と、おススメの治療について紹介します。

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子供の肌トラブル

まず、子供に多い肌トラブルについてみていきましょう。

湿疹(アトピー性皮膚炎)

湿疹(アトピー性皮膚炎)の症状は?

かゆみのあるうろこ状の赤い斑点がみられます。掻き過ぎてしまうと、発疹の皮がむけ、ジュクジュクして、痂皮(かひ、かさぶたのこと)になる可能性があります。

湿疹(アトピー性皮膚炎)の原因は?

一般的には、慢性でしばしば遺伝からくる皮膚状態は、子供期に始まり増す。原因は、乾燥肌、熱または寒さ、羊毛または人工衣類、ほこり、汗、特定の食品、石鹸、および洗剤などが原因で発症します。

湿疹(アトピー性皮膚炎)の対策は?

子供の湿疹を抑えるために、肌が乾燥しすぎないようにしましょう。部屋に加湿器を置く、ぬるま湯(お湯が熱いとより肌が乾燥してしまいます)で入浴させる、肌にやさしいシャンプーとコンディショナーを使用する、などが有効です。

毎日保湿ローションを塗ってあげてください(特に水分を吸収しやすいように入浴した直後が良いでしょう)。衣服や寝具を洗う際は、刺激の少ない洗剤を使用しましょう。

それでも効果が診られない場合、皮膚科の医師に相談しましょう。

あせも

あせもの症状は?

小さな、赤い、ピンサイズの突起が皮膚にできます。時々水疱になり、その後乾きます。

あせもの原因は?

暑い夏の日にたくさん重ね着をすると、汗腺の毛穴が詰まって厄介なあせもを引き起こす可能性があります。

あせもの治療は?

子供があせもになったら、まずは涼しい場所に連れて行きましょう。冷たいお風呂にいれてもよいでしょう。それから子供の肌をできる限り清潔で乾燥している状態にしてください。通気性の良い軽い服に着せましょう。また、毛穴を詰まらせるような保湿剤は避けたほうがよいです。

白癬

白癬の症状は?

体の至る所にできる、うろこ状で赤い円形の病斑です(赤いリングのように見えます)。

白癬の原因は?

人間や動物、タオル、寝具、土壌のどこでも見つけることができる真菌(カビ)によって引き起こされます。カビを避けることは非常に難しいのですが、実際に感染する子供はごく一部です。

白癬の治療は?

市販されている抗真菌クリームがよいでしょう。それで効果がなければ、強度の抗真菌クリームが必要かもしれません。頭皮の白癬には、医師は薬用シャンプーと同様に口腔抗真菌薬を処方するでしょう。

膿痂疹

膿痂疹の症状は?

かゆみがあり、赤く、水っぽい、割れると広がる水疱性傷跡です。傷口が乾くと、黄褐色の痂皮を形成します。傷口は通常、子供の鼻と口に現れますが、どこにでも現れます。

膿痂疹の原因は?

傷や虫刺され、または他の刺激された領域を通って皮膚に侵入した細菌によって起こります。子供の場合、感染したタオルやおもちゃを触ったり、感染した人に触れることで感染することがあります。

膿痂疹の治療は?

傷口を治すために抗生物質クリームや経口抗生物質が処方されるでしょう。感染した肌をきれいに保つことも重要です。膿痂疹の治療を途中でやめてしまった場合、抗生物質耐性感染症につながる可能性があるので、迅速にコントロールすることが大切です。

子供のおしりを健康に保つには?

子供のおしりを赤ちゃんの頃のような綺麗なおしりのままにしておきたいと思いませんか? ここでは子供のおしりをきれいに保つ方法を説明します。

赤ちゃんが動き回るようになったとき、おしりをきれいにすることが難しくなってきます。ひとつには、子供は沢山の量を食べるようになり、大きな、そしてベタベタしていて、臭いうんちをするようになります。

子供は赤ちゃんのおむつ替えの時のように、寝てくれません。立ったままのほうが嬉しいですし、おしりをふかずに遊びに行ってしまおうとします。このため、おしりがきれいになっているか確認する必要が出てきます。おむつや下着が汚れて濡れたままの時間が長いと、まだ繊細な子供の肌は荒れてしまい、おしりの湿疹であるおむつかぶれを起こすこともあります。

子供のおむつを頻繁に替えるようにします。おしりを拭いてきれいにした後、おしりを乾燥させ、新しいおむつをはかせる前に保湿剤を塗ります。

時々、おしりを出したままにできるようにしましょう。おむつは湿気がたまるため、あまりに湿度が高いとおしりも湿気にふれたままになります。おしりを空気に触れさせると、おむつかぶれを改善させることに役立ち、おむつかぶれを防ぎます。

可能なときにいつでも、掃除が可能なエリア(カーペットやソファの上だと掃除が大変になります)でおしりを出して10分程度、歩き回れるようにしてあげましょう。

湿疹ができやすい場合は、子供のおしりを拭く時は石鹸や香りつきのおしりふきの使用はやめましょう。おしっこをきれいにする場合は水で十分です。うんちについては、香りのついていない、アルコールフリーのおしりふきや石鹸、ローションなどを選ぶようにしましょう。

使い捨ておむつの中で、非常に吸収力の高いものは、湿気がこもりすぎるため、おむつかぶれがひどくなる可能性があります。吸収力の低いおむつに変えたり、布おむつに変えたりすることでおむつかぶれを和らげます。

治らない場合は?

数日経っても湿疹が治らなかったり、何度も繰り返す場合は、小児科医に診察してもらうとよいでしょう。バクテリアや真菌感染症に可能性があるので、小児科医から処方される薬でないと治らないかもしれません。

深刻な湿疹の可能性も?

真っ赤な肌に黄色いうろこのようなかさぶたがある場合、これは脂漏性皮膚炎の可能性があります。

皮膚の間が赤くなり、そこから白や黄色のものがにじみ出ている場合は、真菌感染症の1つである、間擦性湿疹の可能性があります。

膿が出て、それが皮に覆われたような発疹の場合は、膿痂疹の可能性があります。

耳感染症の治療等で、特に経口用の抗生物質を服用していた後、子供のおしりの肌が明るい赤になる場合は、真菌感染症である、カンジダ症の可能性があります。

深刻な湿疹の可能性がある場合は、すぐに小児科医に相談しましょう。

おわりに:子供には誰でも湿疹ができてしまう可能性はある!?

常に清潔にしていても、子供には湿疹ができてしまう可能性はあります。保護者が自分のせいだと悲観する必要はありません。

この記事を参考にして、できるだけ子供の不快な症状を抑えてあげましょう。

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