記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
子供の病気、心配ですよね。特に、下痢をしている子供はげっそりし、元気がないので、見ているほうもつらいものです。
この記事では、早く治したい子供の下痢について、症状やケアの方法をまとめました。
ウィルスに感染したとき、胃腸を刺激するものを食べた後、果物等の高食物繊維の食品をたくさん食べた後、などで、子供が下痢になることは思ったよりも多いものです。ですが、時々下痢をするということならば、あまり心配する必要はありません。
嘔吐したり、発熱したり、膨満感があったり、下痢に血が混じっている(鮮血もしくは暗い赤色の血)などの場合は、医師に診てもらいましょう。そのほか、脱水症状を起こした時は、医師の診察が必要です。脱水症状は、非常に危険な状態で、嘔吐や下痢により、体内の水分と電解質(必須ミネラル)を大量に失うことで起きる状態です。
脱水症状のほかの兆候には、唇のひびわれ、泣いても涙が出ない、尿の量が減るなどがあります。
下痢を治すには、必ずしも治療が必要なわけではありません。代わりに、次のようなことを行ってみましょう。
・消化のよい、バナナ、米、りんごなどを食べさせてみましょう
・脱水症状を避けるため、飲み物をたくさん飲ませるようにしましょう
・消化の悪い、高脂肪、高糖質の食べ物を避けましょう
それでも、改善しない場合は、医師の診察を受けましょう。
子供が嘔吐している場合、しばらく固形の食べ物を与えないようにしましょう。嘔吐した後、10~15分間は何も飲食させないほうがよいです。特に嘔吐のはじめのときはやめましょう。口の中の嫌な感じを取り除くために、少量の水を飲ませることは問題ありません。
経口補水液のような水分を与えてもよいでしょう。最初は少しずつ飲ませてみましょう。飲めるようであれば、少しずつほかの水分を与えてよいでしょう。子供の下痢が改善したら、徐々に通常の食事を与え始めます。
子供が下痢をしているときは、良い菌をつかって、悪い菌をやっつけましょう。
子供は病気になることが多いです。手を何回洗っても、どれだけ消毒しても、それでも子供は、耳の感染症や、喉の痛み、または胃腸の痛みなど、抗生物質を必要とする菌を拾う可能性があります。しかし、抗生物質は細菌感染症には効果的ですが、健康を保つための細菌まで殺してしまうものなので、あまり頻繁に飲ませるのはやめましょう。
子供の抗生物質による下痢を防ぐには、善玉菌であるプロバイオティクスを摂取することです。ある研究では、いくつかのプロバイオティクスが、抗生物質による下痢症状の子供の75%を改善したというデータが明らかになっています。
小児科医は抗生物質を使用しているときに、プロバイオティクスを服用するよう勧めるでしょう。
私たちの腸内には健康を保ってくれる何百万もの細菌(善玉菌)がいます。プロバイオティクスは、乳酸菌もしくはビフィズス菌の2つの細菌群のうちの1つに由来する、生きた善玉菌です。ヨーグルトのような特定の食品に含まれています。発酵乳飲料や豆乳、味噌などの大豆製品にもプロバイオティクスが含まれています。低脂肪、低糖度の商品を選択しましょう。プロバイオティクスの効力は時間とともに減少する可能性があるので、有効期限も確認しましょう。
抗生物質の種類によっては、悪い菌と一緒に善玉菌を殺してしまいます。プロバイオティクスの摂取で、体に良い菌を増やして、病気の原因となる菌を押し出します。善玉菌は、悪い菌が血流に入ることができないように腸の内層を強化し、腸の環境を悪玉菌がすみにくい酸性に変えてくれます。
子供の体調管理をしっかりし、なるべく下痢を起こさせないようにしたいものです。でも、子供の下痢はどうしても起こってしまうものです。起こってしまった場合、この記事を参考にして、危険な場合はスグに医師の診察を受けましょう。