記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/4/26 記事改定日: 2018/10/4
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「ご飯やパンを一切食べずに過ごしたら一気にやせた」「糖質制限をしたらダイエットできた!」といった話を聞くと、炭水化物を抜いたほうが早くやせるんじゃないかと思ってしまうかもしれません。
でも、 ご飯やパンといった炭水化物を抜く極端なダイエットには、リスクが潜んでいるのです。
炭水化物には、分解・吸収できる「糖質」と、分解・吸収できない「食物繊維」の2種類があります。
「ダイエットのためには炭水化物を抜いたほうがいい」「炭水化物を制限をすれば早くやせられる」という声を聞いたことがあるかと思いますが、極端な摂取制限は以下のような体調不良を引き起こす原因になります。
糖質を制限すると、代わりにたんぱく質を構成しているアミノ酸が肝臓で糖に変わり始めます。これだけ聞くと、あえて糖質を摂取しなくてもいいと思ってしまうかもしれませんね。
しかし、たんぱく質で身体に必要な糖質を補うためには、肉類であれば毎日数kgもの量を食べる必要があるのです。これだけの量を毎日食べ続けるのは難しいですし、肉には飽和脂肪が多いものもあるため、脂質の摂取量が増えて血中のコレステロール値が上昇し、心臓病や脳梗塞のリスクが高くなる可能性があります。
大量のたんぱく質を摂取して、身体を維持するために必要な糖質を作ることが難しくなると、身体は筋肉を分解してアミノ酸に変え、糖質を作り出そうとします。その結果、筋肉量がどんどん減ってしまうことになります。
糖質から体に取り込まれるグルコース(ブドウ糖)の量が不足すると、身体は貯蓄されている脂肪をエネルギーに変えます。この過程で血中でケトンが作り出され、ケトン症を発症する恐れがあります。ケトン症は糖質が少ないことが原因で起こるもので、発症すると頭痛、吐き気、脱水症状、めまいなどを引き起こす可能性があります。
また、ケトン症特有の体臭が発生するようになります。
炭水化物には糖類と食物繊維が含まれています。このため、炭水化物の摂取量を極端に減らすと、食物繊維の摂取量も減ることになります。
食物繊維は大腸内の便を柔らかくしたり、カサを増すことで便意を促す効果があり、便秘によい食材の一つです。炭水化物の中でもお米などのように食物繊維も多く含む食材を過剰に制限してしまうと便秘になることがあるので注意が必要です。
炭水化物は極端に制限すると便秘になったり、かえって太りやすい体質になったりするため、「ほどほど」に行うことが大切です。
ここでは、適度に炭水化物を制限できるおすすめレシピを3つご紹介します。
炭水化物ダイエットをしていても、無性に麺類や粉ものが食べたくなるときがありますよね。そこで、おすすめなのが小麦粉の代わりに豆腐を使ったお好み焼きです。
絹豆腐1/2丁はしっかり水切りをしておきましょう。ボールに水切りした豆腐を細かくちぎって入れ、卵、カレー粉、チーズを投入し、お好みで塩コショウ・本だしなどで味付けします。そこに細かく千切りにしたキャベツを投入し、フライパンでよく蒸し焼きにしたら完成です。お好みでソースやマヨネーズ、鰹節、青のりをまぶせば立派なお好み焼きになりますよ。
サバはみそ煮缶詰を使用することで、短時間で簡単に作ることができます。
フライパンにサバみそ煮缶の中身をタレごと投入し、適量のミニトマト、小松菜やしめじなどお好みの野菜やキノコをいれます。サバの生臭さが気になる人は、しょうがをひとかけ加えるとよいでしょう。
そのままフライパンに蓋をして、中火で10分ほど加熱して蒸らしたら完成です。
魚も野菜も多く摂ることができ、一品だけで満足感のある食事をすることができるおすすめメニューです。
ダイエット中でも甘いデザートは別腹で食べたくなりますよね。一般的には、甘いものは炭水化物が多く含まれていますが、工夫次第で炭水化物の少ないデザートを作ることも可能です。
ゼラチンは既定の分量の水を加えてふやかしておきます。適量の牛乳にお好みでメープルシロップやはちみつを加えて甘さを調節します。一旦レンジで加熱してよく混ぜ、そこにふやかしたゼラチンを投入。冷蔵庫に入れてプルンプルンになるまで冷やして固めれば完成です。
炭水化物は、人間が生きていくうえで必要なエネルギーを生み出す大事な栄養素です。極端に摂取制限をしてしまうと、筋肉量が落ちたり、不足したカロリーをたんぱく質と脂肪で補おうとして血中のコレステロール値が高くなってしまったりする可能性があります。
ダイエットで体調を崩してしまうことがないよう、糖質だけでなく、脂質やたんぱく質の摂取量も配慮した、バランスのよい食生活を心がけましょう。
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