記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
糖尿病や高血糖状態のときには、血糖値の上昇を抑えるよう努力すると良いとされますが、血糖値のコントロールがダイエットにも効果的だと知っていますか?
今回は、血糖値のコントロールとダイエットの関係について、そのメカニズムや、食後の血糖値上昇を抑えてダイエットを成功させるコツを解説していきます。
食後の血糖値の上がり方も、食事の内容や量と同様ダイエットに大きく関係しています。
人間の身体は、食事をすると血糖値(血液のなかの糖分が占める割合)が上昇します。すると膵臓からインスリンが分泌され、食事で上がってしまった血糖値を適切な値まで下げ、身体や血液を適切な状態に保とうとする仕組みになっているのです。
インスリンは糖を細胞内に取り込みますが、余分な糖は細胞内で脂肪へと変換されます。糖分の多い食事を摂って血糖値が急激に上昇すると、これを下げようとインスリンが過剰に分泌され、結果として脂肪の蓄積や低血糖による食欲増進を招いてしまうのです。
このように血糖値の上がり方は、脂肪の蓄積や食欲など、太りやすい体質になる要素と密接にかかわっています。
だからこそ、ダイエットの成功には血糖値の上昇を穏やかにすることが欠かせないのです。
血糖値の上昇を穏やかにするための食事のコツとしては、食事の際にまず消化に時間のかかる「食物繊維が豊富な野菜から食べること」が挙げられます。
おなかが空いているときは、ごはんや麺類などの主食をたくさん食べたくなりますが、いきなり糖分の塊である主食を食べると、急激な血糖値上昇を招いてしまいます。
そこで、噛み応えがあって咀嚼と消化に時間がかかり、消化器からの糖の吸収をゆるやかにしてくれる、以下のような食材を最初に摂ることが推奨されているのです。
ただし、上記のような低糖質で食物繊維豊富な食材ばかりを食べていると、血糖値の上昇は抑えられても栄養が偏ってしまいます。
ダイエットのために血糖値の上昇をゆるやかにしたいなら、血糖値の上昇スピードが早い食材と穏やかな食材の両方を、バランスよく食べるよう心がけてください。
糖質を一切摂らず、極限まで血糖値の上昇を抑えたからといって、早く効率的に痩せられるわけではありません。
糖質は人間の心身の健康の維持、そして脂肪の燃焼にも不可欠な栄養成分です。本来必要な栄養成分を完全に絶ってしまえば、糖を適切な状態に使用・代謝する身体の機能が弱まり、糖質をため込みやすい身体に変化してしまいます。
糖質を一切摂らない極端なダイエットは、太りやすく痩せにくい、かつリバウンドする可能性の高い不健康な身体を作り出すのです。
健康を維持しつつ痩せるためには、糖分は適度に食べるべきということを覚えておきましょう。
血糖値を下げる働きのあるインスリンには、血液中の糖を脂肪に変えて蓄積する作用もあります。急激な血糖値上昇はインスリンの過剰分泌を招き、脂肪の蓄積や急激な低血糖からの食欲増進も誘発するため、順調なダイエットを妨害してしまうのです。ダイエット中は食物繊維豊富な野菜などを最初に食べてから、ごはんやパン・麺類などの適量の糖を摂取することで、血糖値の上昇が抑えられてダイエット成功にも役立ちます。
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