記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
ニキビを潰すのが癖になってしまい、気づいたらでこぼこや赤い跡が…。このようにしてできたニキビ跡は消えにくいと言われますが、なんとかセルフケアで治せないものでしょうか?
この記事では、ニキビ跡の市販薬やセルフケアについて解説していきます。
ニキビ跡は大まかに分けて、
のタイプがありますが、基本的には消えにくいです。
赤みタイプや色素沈着タイプのニキビ跡は自然に消えることもありますが、初期段階で適切な治療を行わず、クレーターやケロイドのようになってしまうと、跡を消すのが困難になります。
クレーターのように皮膚の組織が深く抉れた重度なニキビ跡は市販薬で治すのは難しいと考えられます。
しかし、軽度なニキビ跡であれば市販薬でケアを続けることで、目立ちにくくすることが可能なケースもあります。
例えば、角質を柔らかくする成分が含まれた「肌美精®大人のニキビ対策クリーム」、「薬用アクレケア®」、「ピュアクリスティ®」などがおススメです。また、肌の再生を促すビタミンBやビタミンCが含まれた「チョコラBB®」や「the CB+」などの飲み薬を飲むのもよいでしょう。
ただし、市販薬によるケアの効果は個人差があり、効果が表れるまでに長い時間がかかります。ニキビ跡が気になる人は自己判断のケアを続けるのではなく、皮膚科で相談するようにしましょう。
ニキビ跡のタイプによっては改善が難しいものもありますが、基本的には時間の経過とともに肌のターンオーバーが進むと、少しずつニキビ跡は目立たなくなっていきます。
肌のターンオーバーを促進するために、以下のことを心がけてみましょう。
人参やほうれん草などの緑黄色野菜に含まれるビタミンAや、レバーやマグロに含まれるビタミンB6には、新陳代謝を促進する効果があります。
また、肉や魚、卵に含まれるたんぱく質も皮膚の形成に必要です。脂分に気をつけながらとりすぎない程度にきちんと食べるようにしましょう。
フルーツや野菜に含まれるビタミンCも肌の調子を整えることに役立ちますので、積極的に取り入れ、揚げ物などの脂っこい食べ物や糖分の多いお菓子の摂取は避けましょう。
夜の22時〜深夜2時の間は、皮膚や筋肉の再生を促す成長ホルモンが多く分泌されるといわれています。
この時間帯には必ず床に入るようにし、睡眠時間は十分とるようにしましょう。
ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの運動で血行が良くなると、肌の奥まで栄養分が届き、新陳代謝が良くなります。
ニキビ跡の部分に紫外線を浴びると、赤みや色素沈着はなかなか消えなくなってしまいます。
低刺激の日焼け止めを使ったり、帽子やサングラスを使うなどして、紫外線対策を怠らないようにしましょう。
ニキビ跡に間違った対処法を施すと、かえって皮膚の状態が悪化させてしまう恐れがあります。下記の行為は避けてください。
パックやクリームを使いすぎてしまうと、肌をさらに刺激してニキビ跡が悪化する可能性があります。
日焼けしてしまうとニキビ跡が浅黒くなり、より跡が目立ちやすくなります。
洗いすぎたりこすったりして炎症部分を刺激すると、肌の弾力性がさらに低下し、ニキビ跡がくっきり残る原因になります。
洗っていない指や爪から細菌が入ることで、囊胞ができるリスクを高め、ニキビ跡を肥大化させてしまう恐れがあります。
治療法は、ニキビ跡の重症度によって異なります。ニキビ跡の見た目を改善する場合には、ケミカルピーリングやマイクロクリスタル・ピーリングなど診察室ですぐに行える治療が施されるケースもありますが、ニキビ跡が深刻な場合は下記の治療法を施すことがあります。
レーザーで傷ついた肌の表面を取り除き、皮膚の中間層にハリを蘇らせ、肌を滑らかにします。治療前に局所麻酔をするので、痛みをあまり感じない状態で施術を受けられるのが特徴です。治療にかかる時間は数分程度のものから1時間かかるものまでさまざまで、治療後はおよそ3~10日程度でニキビ跡が治るケースがほとんどです。
回転するワイヤーブラシやダイヤモンド装置を使い、肌の表面を磨耗する治療法です。治療後およそ10日~3週間程度で、むけた皮膚が新しい滑らかな層に代わります。
レーザーリサーフェシングや皮膚切除よりも深い層からニキビ跡を治療します。フラクショナルレーザーは組織の最上層を傷つけないので、皮膚が治るまでにかかる時間が比較的短いのが特徴です。治療後、施術部分が日焼けしたように見えるかもしれませんが、数日で治まります。
クレータ型のニキビ跡の場合、ニキビ跡の下に物質を注入して肌を正常な状態にしたり、場合によっては外科手術をすすめられたりするケースもあります。
「潰してしまったニキビ跡はもう治らない」と聞いてショックを受けたことのある人は多いかと思いますが、程度によってはセルフケアで改善も見込めます。
ただ、間違ったセルフケアで悪化させてしまうケースも少なくないので、もしニキビ跡に悩んでいる場合はまず皮膚科を受診し、アドバイスをもらうようにしてください。