ひどいニキビでお悩みの方必見!病院で処方してもらえるニキビ薬

2017/5/8

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

ニキビに触っているうちに腫れがひどくなってしまったり、市販のニキビ薬を使ってもなかなか改善しなかったりなど
ニキビの治療法で悩んでいませんか?

軽度のニキビの場合は正しいセルフケアで治すことができますが、
痛みがあったり広範囲に広がったりする重度のニキビの場合は、病院で適切な処置を受けることが大切です。

今回の記事では、病院で処方してもらえるニキビの薬についてご紹介します。

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ニキビ治療で処方される薬

ニキビ治療に使われる処方薬は、大きく2つに分けられます。

・塗り薬(こう薬レチノイド、塗るタイプの抗生物質)
・経口の抗生物質

塗り薬

塗り薬での治療法は、軽いニキビには一般的な治療法です。下記の塗り薬がよく処方されるものになります(下記のほか、サリチル酸を含んだ塗り薬が処方される場合もあります)。

こう薬レチノイド

こう薬レチノイドは、肌の角質を肌の表面から取り除く働きをする塗り薬で、毛包に角質が詰まるのを防ぐ働きがあります。
トレチノインやアダパレンはニキビの治療に使われる塗り薬に含まれる成分です。ジェルタイプとクリームタイプがあり、通常1日1回、就寝前にニキビができている箇所に塗布します。

通常の塗布期間は6週間程度ですが、薬の使用頻度を減らして、長期間塗布を続ける場合があります。なお、こう薬レチノイドを塗布するときは一度にたくさん塗らないようにし、太陽の光や紫外線を浴びすぎないようにしましょう。

一般的な副作用として、皮膚の刺激(チクチク感)を感じることがあります。また、出生異常のリスクがあるため妊娠中の塗布は避けてください。

塗るタイプの抗生物質

塗るタイプの抗生物質は、詰まった毛包を感染させる恐れのある細菌を殺す働きをします。ローションやジェルタイプが一般的で、一日に1~2回塗布します。

塗布の推奨期間は6~8週間程度で、これを過ぎた期間での使用は避けたほうがいいとされています。顔についた細菌が抗生物質の耐性を持つことでニキビが悪化し、ほかの感染症を引き起こす可能性があるためです。

副作用が出ることは基本的にありませんが、以下の副作用が現れるケースもあります。
・皮膚が軽い刺激を受ける
・皮膚が赤くなったり、熱を持ったりする
・皮膚が剥ける

経口の抗生物質

経口の抗生物質は、中程度から重症のニキビを治療する一般的な治療法です。塗り薬が効かない場合や、ニキビが身体の広範囲に発生している場合に有効です(この場合、ニキビの発生をコントロールするためには、経口の抗生物質と塗り薬の併用が効果的であるとされています)。

ニキビ治療で処方される経口の抗生物質としては、
・テトラサイクリン系抗生物質
・エリスロマイシン
・ドキシサイクリン
・ミノサイクリン
・トリメトプリム・スルファメトキサゾール合剤
・アジスロマイシン
などさまざまな種類があります。

基本的にはテトラサイクリン系抗生物質が処方されることが多いですが、妊娠中や授乳中の方は服用できません。妊娠中や授乳中の方は、より安全性の高いエリスロマイシンの服用がすすめられます。

経口の抗生物質は、服用後すぐに効果が実感できるものではありません。ニキビが改善していることに気付くまでは6週間程度かかるでしょう。
また、効果の現れ方にもよりますが、服用期間の目安は4~6ヵ月前後です。

テトラサイクリン系抗生物質は、太陽の光や紫外線に敏感になったり、治療を始めてから数週間は避妊ピルの効き目を弱めたりする可能性があります。この期間中は、コンドームなどほかの避妊方法を行いましょう。

その他の薬での治療法

上記の治療で効果が得られない女性の場合、エストロゲンを配合する避妊ピルでニキビが改善するケースもあります。

注意点

ニキビの薬を処方されたら、指示通りに服用してください。
また、一日で治る治療法や即効性のある治療法はない、ということを念頭に置くようにしてください。ニキビの薬は、服用してから効果がわかるまでに時間がかかることがあるので、長い目で治療に望むことが大切です。

なお、肌がキレイになったとしても、再発を防ぐために治療を続ける必要があります。治療をやめるタイミングについては、皮膚科医の指示に従ってください。

おわりに:皮膚科医のもとで自分に合った治療を

ニキビは悪化してしまうと、最悪の場合ニキビ跡となって肌に残ってしまうことがあるので、ひどくなる前に病院で診てもらうようにしましょう。ニキビの重症度やあなた自身の状態によって処方される薬は異なるので、皮膚科医と相談の上、適切な治療を受けてくださいね。

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