記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
洗顔した後、鏡に映った顔にニキビを発見! そんなとき、あなたならどうしますか? 治療薬を買いに薬局に走る? 薬箱をあさる? ニキビ治療に有効な自然治療薬があること、知ってましたか?
ここでは、自然のものを使ったニキビ治療について紹介します。使用についての注意もありますので、参考にしてください。
いくつかの自然治療はニキビの炎症を減らすことに役立つ可能性があります。例えば次に挙げるようなものです。
ティーツリー・オイルを含有するジェルは、ニキビの原因となるバクテリアを殺し、毛穴を塞ぐ皮脂と死滅細胞を肌から取り除く作用のある過酸化ベンゾイルのローションと同じぐらい有効性があります。しかしティーツリー・オイルが効き目が出るのはもっとゆっくりしています。
副作用としては、皮膚炎がある場合にその症状が悪化することがあります。
この天然酸は柑橘系果物やその他の食べ物に含まれています。
肌に塗ると、αハイドロキシ酸が死滅した細胞を取り除き、毛穴の詰まりを取り除き、ニキビ痕を改善する効果があります。
副作用としては、太陽光に過敏に反応する、赤みが出る、軽度のチクチク感を感じる、肌の炎症などがあります。
この天然の酸は、全粒穀物や動物製品に含まれています。
20%濃度のアゼライン酸は、一般的なニキビ治療薬と同様に、1日2回、最低でも4週間塗ると効果があるとされています。エリスロマイシンと混ぜて使用するとさらに効果的です。天然成分のため、妊娠中や授乳中に赤ちゃんに負荷をかけないために処方されることもあります。
牛軟骨の成分を5%含むクリームを患部に1日2回塗ると、ニキビを減らす効果があります。
亜鉛が含まれているローションやクリームには、ニキビの炎症を減らす効果があります。
ニキビ治療薬(トレチノイン)と混ぜ合わせた、アロエ・ベラ50%含有ジェルを、中度のニキビを持つ人60人に8週間塗布してもらったところ、トレチノインだけを塗布した場合と比べ、明らかにアロエ・ベラ・ジェルと混ぜたもののほうが効果的だったという研究があります。
CBS 5926と呼ばれる醸造用酵母の特殊株は、ニキビを減少させることに役立つ可能性があります。ここで挙げているものの中で、唯一、塗布ではなく飲用するものです。
副作用としては、膨満感などの原因になる可能性があります。
ここまで挙げた自然治療や、漢方、ハーブなどの自然治療については、その有効性と長期的な安全性を確立するためにさらなる研究が必要になります。
試してみるには、かかりつけの皮膚科医に天然治療について相談する必要があります。
天然成分が由来のニキビ治療薬でも、体に合わないとトラブルを起こす可能性もあります。少しずつ、時間をかけて試してみましょう。自分の体質に合った自然治療薬を見つけることで、ニキビなどの肌のトラブルを防ぐことができるでしょう。