記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
子供の固形食デビュー。
成長が感じられる、おめでたいイベントではありますが、ここで気をつけたいのが食物アレルギーです!
今回の記事では、保護者の方に気をつけていただきたい、赤ちゃんの食物アレルギーの症状や対処法についてまとめました。
食物アレルギーの症状ははっきりと表れ、通常は食後すぐに数分で起こります。アレルギーの原因となる食べ物を食べてから数分~1時間のうちに以下の症状が現れたら(通常は食後すぐの数分で起こります)、食物アレルギーを疑ってください。
・じんましん(虫刺されに似た赤い斑点)
・皮膚のかゆみ(口や喉に出ることが多い)
・鼻水や涙
・唇や舌の腫れ
・くしゃみ
・吐き気、嘔吐
・下痢
・血便
・顔面蒼白
・頭痛
・呼吸困難
・意識消失(気絶)
上記のうち当てはまる症状があった場合は病院を受診し、アレルギー検査を実施しましょう。また、呼吸困難や気絶の症状が出た場合、アナフィラキシーと呼ばれる重篤なアレルギーの可能性があります。一刻も早い治療が必要となるため、赤ちゃんが呼吸困難や意識がなくなるといった症状に陥った場合は、救急車を呼んでください。
正確には病院で検査する必要がありますが、赤ちゃんが食物アレルギーを持っているかどうか簡易的に調べる目安として、以下のものがあります。
赤ちゃんのアレルギーには、遺伝が大きく関係しているという説があります。もしもあなたか配偶者が、花粉症、皮膚炎、ぜんそくなどのような何らかのアレルギー状態を抱えているとしたら、赤ちゃんも同じ状態になりやすい傾向にあるため、家族のアレルギー歴が指針になる場合があります。
以前は「乳製品、卵、魚介類などアレルギーを引き起こす食べ物を与える時期は遅らせたほうが良い」とされていましたが、現在では、こうした食べ物を控えることは必ずしも食物アレルギーの予防にはつながらないと考えられています。
赤ちゃんに湿疹やアレルギーの症状がみられず、既に固体食を食べているのであれば、高アレルギー性食品を食べさせても問題ありません。早く食べさせたほうがいいというほどではありませんが、保護者が監視している中で行う分には大丈夫です。
軽度または中程度の湿疹のある赤ちゃんが高アレルギー性食品を試す場合は、生後6ヵ月くらいからをおすすめします(事前に医師に相談してください)。
ただし、ほかの赤ちゃんの食事と同様に、アレルギー性食品は年齢・発育に適した安全な形、サイズで与えてください。窒息する危険性もあります。
食物アレルギーは、花粉症などの季節性のアレルギーのように薬や注射で治療することはできません。食物アレルギーを防ぐためには、その食べ物を避けるしかないのです。
赤ちゃんのアレルギー発作を防ぐために、ラベルの表示を読むことや、 外食や友達の家に遊びに行くときに材料を尋ねることを習慣にしてください。
なお、赤ちゃんがアレルギーを引き起こす食べ物を食べてしまった場合に備え、対処法について医師に相談し、あなた以外の保護者(保育園の先生やベビーシッター)に共有することを忘れないようにしましょう。
抗ヒスタミン剤などで対処します。ただし、必ず事前に医師から処方された薬を与え、分量を守るよう気をつけましょう。
赤ちゃんに特定の食べ物を食べさせた後にじんましんなどが出た場合、食物アレルギーの可能性があります。「もしかして?」と思ったら、病院でアレルギー検査を受け、正しい対処法について指導を受けてくださいね。