男性の膀胱炎は放置すると危険!?こんな症状には注意しよう!

2017/5/16 記事改定日: 2018/8/30
記事改定回数:3回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

「膀胱炎は女性の病気」というイメージがあるかもしれませんが、男性でも膀胱炎を発症することがあります。しかも、男性の膀胱炎には他の病気が隠れている可能性が少ないので注意が必要です。
この記事で男性の膀胱炎について詳しく見ていきましょう。

男性も膀胱炎になることがある!?

一般的に女性の方が膀胱炎にかかりやすい傾向にありますが、男性も発症する可能性がないわけではありません。
むしろ、男性は膀胱炎を発症しにくいものの急性細菌性前立腺炎に発展するなど重症化する可能性が高くなるため、命に関わる危険性があります。また、前立腺組織の奥深くに細菌が潜んでいることが多いため一度発症すると再発しやすい傾向が高いです。特に排尿を困難にさせる何らかの異常(糖尿病など)がある場合は再発しやすいと言われています。

男性の膀胱炎の原因は何?

女性の膀胱炎は大腸菌が膀胱に侵入することで起こるケースが多いですが、男性の膀胱炎は他の病気が原因となっていることが多いです。どのような病気が隠れている可能性があるのか、以下の文で見ていきましょう。

尿路結石・腎結石
結石によって尿の流れがせき止められ、膀胱炎が引き起こされることがあります。
前立腺肥大
前立腺が肥大すると膀胱と尿道が圧迫されるため、頻繁に尿意を感じたり、尿の出が悪くなったり、尿が排出しきれなくなったりして膀胱炎につながることがあります。また、前立腺肥大は急性尿閉(次の項目で解説します)を引き起こす可能性があります。
急性尿閉(AUR)
急に排尿ができなくなってしまう疾患で、突然排尿できなくなる、下腹部の激しい痛み、膀胱の腫れなどの症状を引き起こします。
尿道と膀胱カテーテル
体内にカテーテルがあると細菌がカテーテル周囲で繁殖して尿路などにたどり着き、膀胱炎につながることがあります。心配であれば、カテーテルを挿入した医師にどのような管理をしているのかを聞いてみてください。

膀胱炎になるとどんな症状がでるの?

膀胱炎は膀胱の粘膜に炎症が起こる病気で、発症すると下記のような症状が見られます。

排尿痛
排尿時に尿道口がヒリヒリとした痛んだり、しみるように痛むことがあります。排尿が終わった後や排尿の後半に痛むことが多いと言われています。
頻尿
膀胱炎の初期に現われることが多い症状です。排尿する回数が増え、排尿してもまだ出し切っていないように感じる残尿感を感じることがあります。
尿の濁りと悪臭
尿が白く濁ったり、アンモニア臭を強く感じるようになります。
お腹や背中の痛み
膀胱炎は排尿痛以外にも下腹部の痛みを引き起こすことがあります。また、膀胱炎が腎盂腎炎に発展すると腰背部に痛みが出ることもあります。
血尿(潜血尿)
膀胱の粘膜が炎症を起こして血が流れ、血尿が出ることがあります。血尿には見た目でわかるほど色が変わるものもありますが、病院で検査しなければ発見できない顕微鏡的血尿(顕微鏡的潜血尿)もあります。一般的には尿の出始めよりも出し切る直前の尿(膀胱がからっぽになるタイミングの尿)のほうが尿に混じる血の量が増える傾向があります。

クラミジアにも注意!症状が出ているときは性行為を控えよう

男性のクラミジア感染症は、主に尿道炎として発症するため、膀胱にまで炎症が進むことは稀です。これは、男性は尿道が長いためであり、女性は尿道が短いので容易に膀胱内まで炎症が進展して膀胱炎を発症します。

しかし、尿道から膿のようなものが出たり、排尿時に痛みが生じるなどの症状がある場合にはクラミジアなどの性感染症を発症している可能性があります。このような症状がある場合は、性行為を控え、なるべく早めに病院を受診するようにしましょう。

膀胱炎の治療法は?

膀胱炎は治らずに悪化すると腎盂腎炎に進行してしまう可能性があるため、抗生物質などを中心とした薬物治療が行われるのが一般的です。しかし、薬を飲んでも治らなかったり、排尿痛や下腹部痛が残る場合は手術が行われることもあります。

薬物療法

膀胱炎の大半が大腸菌の感染が原因といわれているため、ニューキノロン系(クラビット®など)やセフェム系(フロモックス®)の抗生物質が主に使われます。5日程度の内服を指示され、症状がなくなって尿検査で異常が見つからなければ完治したとみなされます。
ただし、耐性菌が原因になっている場合はどの薬物が効果を得やすいかという検査に基づいて薬が変更される可能性があります。
いずれの場合でも、処方された抗生物質は服用期間の最終日までしっかり飲み切るようにしてください。

手術療法

膀胱炎の多くは薬物治療で完治しますが、薬を飲んでも治らなかったり排尿痛や下腹部痛が残る場合は、内視鏡を使った膀胱水圧拡張術が行われることがあります。
また、腎結石や前立腺肥大などの病気が原因の膀胱炎と診断された場合は原因となる病気の治療のために手術が行われることが多いです。

膀胱炎はどうやって予防すればいい?

膀胱炎にならないためには予防が大切です!
下記に代表的な予防法を紹介するので、膀胱炎の予防・再発防止に役立ててください。

水分をとる

水分を摂ってたくさん排尿することで、細菌が外に流れやすくなります。
ただし、前立腺肥大によって膀胱炎が引き起こされている場合は夜の水分摂取量を減らしたほうが良いこともあるので、医師の指示に従ってください。

尿意を感じたら早めに排尿する

頻繁に排尿するように心がけ、尿意を感じたらなるべくすぐにトイレに行きましょう。尿が膀胱に長時間とどまると、細菌が繁殖する可能性が高くなるからです。特に性行為の後はできるだけ早めに排尿し、性行為中に尿道に侵入した細菌を排出するようにしましょう。

身体を締めつけない服を着る

尿道周辺に湿気が溜まっていると細菌が繁殖しやすくなるため、膀胱炎が悪化しやすくなってしまいます。身に着ける服はなるべく綿製のものを選ぶ、身体を締めつけない下着を履くなどの工夫をしましょう。スキニージーンズやナイロンの下着は湿気を閉じ込めやすいので、できるだけ着用を避けましょう。

おわりに:頻尿や排尿時の痛みでお悩みの場合は早めに病院へ

男性の膀胱炎は発症率が低いですが、発症すると女性よりも症状が深刻になる可能性があります。
排尿時の痛みを感じたりトイレに行く回数が増えたりしている方は、膀胱炎を疑ってみてください。そして、症状が悪化しないうちに早めに病院で診てもらいましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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