高齢者でも性生活を楽しむことはできる?

2017/1/26 記事改定日: 2019/9/9
記事改定回数:1回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

性欲は、健康な生活を送るうえで心理的にも身体的にも必要なものですね。性行為によって対人関係は親密さを増し、パートナーの気持ちを汲み取ることができるようになります。また、ストレスを軽減して気分を良くするため、健康にも効果があります。ついリスクを考えてしまいがちですが、メリットをもたらしてくれる高齢者の性生活についてみていきましょう。

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高齢になっても性生活を楽しめる?

年齢を重ねるにつれて性生活は変化しますが、年をとったからといって性生活が終わってしまうわけではありません。いくつになっても、性生活を楽しむことは可能です。

女性は、閉経に近づくと女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが低下しはじめます。エストロゲンの低下は腟の乾燥につながるため、性行為中の痛みを感じやすくしたり、性欲が減ったりします。また、男性も年を取るにつれて、男性ホルモンのひとつテストステロンが減少し始め、勃起不全(ぼっきふぜん)がみられるようになります。

そして、心身の健康は性生活に影響します。加齢に伴っておこる関節炎、心臓病、高血圧、糖尿病、肥満、うつ病などの健康上の症状は性欲を減らし、興奮やオルガスムの能力に影響を与えるので性行為を難しくします。また、パートナーががんや心臓発作などの病気または手術を受けている場合、性行為がパートナーに害を及ぼすかもしれないと考え、性行為を控えてしまうことも考えられます。さらに、高齢者場合、処方薬の副作用も無視できません。副作用によって、興奮やオルガズムを起こす能力にも影響を及ぼすため、性行為が難しくなる可能性もあります。

年をとっても健康な性生活を送るには?

加齢にともなう体の変化と性行為に対する意識の変化によって、パートナーは不安感や恥ずかしさから神経質になったり、性行為を避けられてしまったりするかもしれません。でも、年齢を重ねても性行為ができるようになるためにできることはあります。 以下に、高齢になっても性生活を楽しむためのヒントをご紹介します。

医師に相談する
多くの人が年を取るにつれて性的な問題を抱えていますが、その症状について医師に相談する人はあまり多くありません。でも、勃起不全やほかの病状を治療すれば、ふたたび性生活を楽しめるようになります。たとえば性行為に影響を与えない薬に変更してもらえたり、パートナーと一緒に安全にセックスを楽しむ方法をみつけてくれるはずです。
パートナーに話す
最初はパートナーに公然と話すのは抵抗があるかもしれません。でも、お互いにコミュニケーションをとることがなにより重要です。いまの気持ちと不安をパートナーに伝え、性的な関係について望むことを素直に話すようにしましょう。
実際に試す
ゆっくりと時間をかけて、新しい体位を試してみてください。 若い頃と同じようにはできないかもしれませんが、距離を縮められる新しい方法を一緒に見つけることができます。 同じ時間を共有し、キスをして、お互いの関係を楽しみましょう。
安全なセックス
高齢者も、性感染症(STI)のリスクはあります。 一緒にSTIの検査を受けることも検討してください。 また、感染予防のために常にコンドームを使用しましょう。
健康を維持する
体型を変えず、また、病気を予防するためには、適度な運動と適量の食事を心がけることが大切です。そのために何ができるかを医師とも相談してください。

 

おわりに:健康状態に配慮して幸せな夫婦生活を

  • 高齢者の性生活には健康面での不安が付きまとうが、しっかりとした準備や知識があれば問題なく行うことができる
  • パートナーとお互いを尊重しあったり、話し合ったりすることで、幸せな夫婦生活を営むことができる

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