記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
2017/6/15 記事改定日: 2018/3/23
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
一般的に「妊娠適齢期は20代で、30代になると個人差はあっても妊娠できる確率が下がる」といわれていますが、それは本当でしょうか?
また、妊娠する確立を上げる方法はないのでしょうか?
今回は、上記2つのテーマをメインに妊娠についての情報をお伝えします。
まず、健康や生殖機能に問題のない男女が排卵日付近に性交渉を行ったと仮定すると、自然妊娠の確率は20~25%といわれています。
妊娠には体質や生活習慣などが関係するので一概にはいえませんが、自然妊娠の確率は【30代前半までは25~30%】、【35歳を超えるとおよそ18%】にまで下がり、【40代となると妊娠出来る確率は5%】近くにまで下降するという結果が不妊治療などによってわかっています。
年齢を重ねる程妊娠率が下がるというのは事実ですが、実際には個人差が大きく、20代でもすぐに妊娠できるとは限りませんし、40代で妊娠を希望してすぐに子どもを授かる場合もあります。
すぐに妊娠や出産をする予定がなくても、将来的に子どもが欲しいと考えている場合には、自分の健康状態を把握しておくことが大切です。
妊娠しやすさには個人差がありますが、妊娠しにくい原因に対処することで妊娠の確率が高くなる可能性はあります。
この項目では、代表的な原因と対処法を見ていきましょう。
「まずは生活習慣の改善などからスタートして病院に行くのは最後」という考えの方が少なくないようですが、まずはじめに婦人科や専門クリニックの医師に相談したり不妊に特化した検査をすることで、自分やパートナーの不妊原因を知ることができ、その結果効率よく妊娠する確率を上げることができます。
原因がわかれば対処方法が明確になり、手当たり次第に色々な方法を試すよりも妊娠する可能性が上がりやすくなると考えられるからです。
妊娠を妨げる薬を飲んでいないか、妊娠機能に影響を与える病気(甲状腺疾患や卵巣嚢胞など)にかかっていないなどを検査してもらいましょう。
また、質問できるようであれば、排卵日や生理(医学的には月経というのが一般的です)周期を知ることで妊娠しやすい時期のタイミングの取り方なども教えてもらいましょう。
糖を摂り過ぎると卵子を含む全身の老化が早まる可能性があるので、糖分を摂り過ぎないように注意しましょう。
また、妊活に良いとされる食材だからといってそればかりを食べるのではなく、様々な食品をバランスよく食べて必要な栄養素を摂ることが大切です。
ストレスには排卵を遅らせたり、子宮収縮の頻度を増やして受精卵が子宮壁に付着するのを難しくする働きがあります。
できるだけストレスをためないよう、自分に合った方法でストレスを解消していきましょう。
この項目では、妊娠の確率を上げるうえで男女共に改善の必要がある項目をご紹介します。
男女に共通する内容なので、パートナーと一緒に取り組んでみてください。
運動には余分な体重を落とす効果だけでなく、血圧やコルチゾール(ストレスホルモン)のレベルを下げ、代謝が良くなることで生殖器官への血流を増加させる効果があります。
また、男性の場合は特に、適正体重の人は肥満の人に比べて精子の数やテストステロン(性欲を向上させるホルモン)の分泌量が増えるといわれています。
(※ただし、過度な運動は逆効果なので運動の種類・時間・頻度については医師に確認してから行いましょう)
カフェインとアルコールの摂り過ぎは、妊娠する確立を低下させるといわれています。
妊娠を望む場合は、カフェインやアルコールを含む食べ物や飲み物はできるだけ控えるようにしてください。
喫煙は、男性であれば精子の数を減少させ、女性の場合は卵巣機能を低下させるなど、生殖能力の低下に深く関係しています。
妊娠を望んでいるならば、できるだけ早めに禁煙しましょう。
年齢が上がるにつれて妊娠する確率は低くなりますが、妊娠するためには年齢を問わず健康でいることが大切です。
なかなか赤ちゃんができずに悩んでいるという場合は、婦人科や専門のクリニックで検査を受けたり、生活習慣を改善するなどの方法で、健康で妊娠しやすい体づくりを行なっていきましょう。
また、妊娠するタイミングは人によって様々です。
結果が出るまで時間がかかることもあるかもしれませんが、医師に相談しつつご自身のペースで取り組んでいきましょう。