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バレリーナ・飯島 望未さんのメンタルマネジメントQ&A ②
2017/6/5
現在バレリーナとして活躍中であり、今年7月に米・ヒューストンバレエ団へ復帰予定の飯島望未さん。
若干15歳にしてヒューストンバレエ団に入団し、言葉の壁・怪我の経験等様々な困難をご自身の力で乗り越えます。
今回は、そんな飯島さん独自のメンタルコントロール法について、ご自身の経験を踏まえたお話を3シリーズに分けてお届けします!
シリーズ第2弾。
ポジティブ思考の起点
飯島さんのポジティブ思考はいつから根付いたんですか?
実は、私昔はすっごくネガティブだったんですよ。
中学生の時あるコンクールに出場したんですが、先生から自分では全然納得できない指導を受けたことがあって。先生のお言葉を鵜呑みに表現すると自分らしさを発揮できなくなるので、その時は、“大丈夫、譲れない部分は聞き流しておけばいい”と自分に言い聞かせて、本番では自分の好きなように踊りました。
相手が”先生”という立場上、言いたいことが言えず我慢していたことが何度かありましたが、表現のアイデンティティーが消えてしまう生徒を何人か見てきたので、そうにはなりたくなかったんです。
そんな経験を経ていくうちにポジティブになっていったというか、他者からのあたりに対しても自分らしさを貫ける術を身につけましたね。
その結果今の私がこうあるので、今はもう、少しくらいの困難があっても自然に”なんとかなるわ〜”って思います(笑)。だから怪我をしたときも“焦ったらあかん”と自然に意識できるようになりました。
−たしかに「先生−生徒」という立場の関係性は難しいかもしれませんね。その点、一緒に踊るパートナーの方は対等かなと感じますが、意見が合わないこともありますか?
そうですね・・ないこともないですね。やっぱり人間合う合わないはありますよね。
意見が合わない時は「もうちょっとこうしたらどうですか?」と提案しています。
でもやはりお互いプロなので譲れないこともあって。最終的にお互いの意見が合わないまま公演を迎えることも実はあるんです。でもお互いプロとしての自覚があるから”必ず良い作品にする”という想いは一緒です。
納得が行かなくても最終的には良い作品になります。というかさせます。
自分のペースを守る
飯島さんはバレエを行う中で怪我をされた時、ポジティブ思考の他に具体的にどのように乗り越えたのでしょうか?
私は筋肉は柔らかい方なのであまり怪我の経験は多くないのですが、骨折を2回経験したことがあります。初めての怪我が疲労骨折で、“まさか自分が?!”と思いました。練習は休まないといけないし、代わりの人が私のところを踊るとなると焦りもありましたね。
私は疲労骨折してきた子をたくさん見てきたのですが、休んでいると周りより遅れをとってしまうから、早く戻りたいと焦るんですよ。でもそうゆう(焦って練習を続けてしまう)方は、怪我が治りきらないうちに練習を再開するのでまたぶり返して、辛い状況が長引いてしまっていました。結果時間の無駄になっている。
実際、痛み止めをすごく飲んで怪我の部分を固定すれば踊れちゃうかも、と私も感じましたが、そんな彼女たちを見ていたのでそれは良くないと。なので、私が怪我した時は6週間くらいひたすら休みましたね(笑)。
といってもその間は、違う部位を鍛えたり足に負担のかからないようなストレッチを行っていました。
−怪我が完治する間は他にできることを探して乗り越えたのですね。
怪我でずっと悩んで思うように踊れなくなる人が本当にたくさんいるので、もう“焦らない焦らない”と自分に言いきかせるしかなかったですね。
ヒューストンでソリストになった1年後だったので、焦る気持ちを抑えるのは大変でしたが、その時はたくさんの周りの方々にも”休んだ方がいい”と言っていただきました。
踊っていると自分のことしか見えないので、怪我の間は敢えて周りの踊りを見て、自分はああしようこうしようと改善点や参考点を模索することが多かったです。普段は他のダンサーを客観的に見られることはないので、いいチャンスだと思って。結果、有意義な時間になりました。
ダンサーは結構ポジティブでストイックな方が多いと思います。
−普段踊っているとき以外のトレーニングについて教えてください。
私はジャイロトニック※を週1回1時間やっています。運動的には、左右対称に動かすというのが特徴(これがとても難しいんです)で、バレリーナにとってとても良い運動と言われています。筋肉が綺麗につくので、バレリーナにとってはピラティスよりもジャイロトニックの方がいいみたいです。
周りのダンサーもトレーニングや独自のケアを行ったりしていて、皆それぞれ自分にあった方法を実践しています。
※ジャイロトニック・・・ハンガリーの元バレエダンサーが考案した、木製の機械を使いながら体を動かすエクササイズ。筋肉や骨、身体の内側が整えられる。