記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
2017/5/24 記事改定日: 2019/9/12
記事改定回数:3回
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
「来月までにダイエットしたい!」と意気込んでも、なかなかうまく痩せられなかったり、体を壊してしまったり、一度痩せたけどリバウンドしてしまったり…。ダイエットに失敗してしまった人は、もしかしたら方法が間違っているのかもしれません。この記事では健康的にダイエットする方法をご紹介します。
健康的なダイエットの基本方針は食事制限と運動です。体重は、消費カロリーが摂取カロリーを上回ったときに落ちるため、効率よく体重を減らしたいなら食べる量を減らして運動を増やすことが近道です。
ただし、やみくもに食べる量を減らして運動すると体を壊してしまいます。ことになりかねません。食事制限をするときは、必要な栄養を十分摂ることができる食事メニューを考える必要があるのです。
短期間で体重を落とすには、「食事は絶対に抜かない」ことが大切です。食事を抜くと栄養不足に陥ってしまうからです。栄養不足は体を壊すリスクを高めますし、急激に減った体重を回復させようとホメオスタシス(恒常性:現状の状態を保とうとすること)が働くため、リバウンドしやすくなります。
果物、野菜、卵白、大豆製品、皮を取り除いた鶏むね肉、魚、貝、無脂肪乳製品、赤身肉を中心にした食事を摂り、たんぱく質を十分に摂りましょう。カリウムが豊富な食品(トマト、オレンジ、バナナ)を摂ることも大切です。
また、脂肪を燃やすには基礎代謝を上げる必要があります。筋肉量が落ちないよう、食事には必ずタンパク質を入れてください。ただし、脂身が多い肉をたくさん食べるとカロリーオーバーになってしまうので、満腹感が得られるように野菜もたくさん食べましょう。お菓子もできるだけ控えてください。
生命活動には水分補給が欠かせません。水分はたっぷり摂ってください。特に、運動した日は普段以上に水分を摂ることを心がけましょう。また、食事を減らすと便秘がちになるので、便秘防止のためにも水分補給は重要です。
短期ダイエットをより効果的に進めるために、食べたものをすべて記録することをおすすめします。何を食べたかを記録しておくと、何を・どれだけ食べたかがひと目でわかるようになります。適切なカロリー量は保っているか、必要な栄養は十分摂っているかを確認し、次の食事に反映させましょう。
記録をつける際は「何を食べたか」「いつ食べたか」だけでなく、「食べる前に自分がどんな気分でいたか」もメモしておくのがポイントです。
食べる前、あなたは怒っていましたか?それとも悲しかったですか?退屈でしたか?「感情」は食事の内容に大きく影響することがあるのです。たとえば、イライラを解消するために暴飲暴食をする人は少なくないと思います。食べることでストレスを解消する傾向がある人は、イライラした気分のときは食べ物に手をのばす前にその気持ちを解消する工夫をしてみましょう。
体重を減らすには、適度な運動を1日約1時間行う必要があるといわれています。この「適度な運動」とは、「有酸素運動」と「筋力トレーニング」をバランスよく行うことです。
有酸素運動は脂肪燃焼に役立つ運動で、短期間のダイエットには欠かせないものです。しかし、効率よく脂肪を燃やすためには、筋肉量を増やして「基礎代謝」を上げる必要があります。ダイエット中の運動は有酸素運動だけで終わらせてしまう方画多いのですが、短期間で健康的に痩せるためにも、週に数時間の筋力トレーニングで筋肉を増やしていきましょう。
筋肉量を増やすためには「運動強度を上げる」こと必要です。運動強度を上げるおすすめの方法としてインターバルトレーニングがあります。
インターバルトレーニングとは、負荷の大きい運動を短時間行った後にゆっくりとしたペースの運動をする、というサイクルを繰り返すものです。過度に負荷を上げる必要がないため安全性が高く、運動が苦手な人でも簡単に取り組めるメリットがあります。メニューを増やせばその分カロリーを消費しやすくなるため、短期間でも効率よく痩せられます。
腎臓疾患や心臓病などの持病がある人や、椎間板ヘルニアや変形性関節症といった関節障害がある方は、運動を始める前に必ず医師に相談してください。
また、糖尿病の人も、間違った方法で運動をすると合併症のリスクが上がったり、低血糖を起こしてしまう場合があります。必ず運動方法について、医師からアドバイスをもらうようにしましょう。
そのほか、運動習慣のない方がいきなり激しい運動をすると、膝や腰などの関節を痛めたり、転倒などで思わぬケガをしてしまう恐れがあります。無理のないペースから始めて、少しずつ運動量や負荷を増やしていきましょう。