記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/7/6 記事改定日: 2018/7/20
記事改定回数:2回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
はじめての妊活のさなかには、これまで聞きなれないことばもあったのではないでしょうか。今回はお産の間近によく使われる「おしるし」がいつ起こるか、気づいたときに何をすればいいかなど、出産にまつわる体の変化についてご紹介していきます。
分娩が近づくにつれ子宮口が開いてきますが、その際に子宮筋と赤ちゃんを包む膜がずれることで生じる、ピンクまたは茶色で血が混じった粘り気のあるおりもののことをいいます。
妊娠10ヶ月目ごろになると起こります。つまり出産がいよいよ近づいてきたサインといえるでしょう。おしるしに気づくと、陣痛まで数時間という人もいますが、通常は1日から2日程度の時間があきます。その間に入院の手続きなど、必要な準備を整えましょう。あせらずとも大丈夫です。
おしるしを思わせるような少量の出血であればほとんど危険はありません。ただし、出血量が多い、鮮血が出る、強い腹痛を伴うことなどがあった場合は胎盤早期剥離をはじめとした緊急事態の可能性も考えられるため注意が必要です。また妊娠37週目以前の早い時期に、似たような兆候がみられた場合、切迫早産や破水のおそれもありますので、医師に確認してもらってください。
初産と経産婦でおしるしに違いは見られませんが、おしるしの現れ方は出産ごとに異なります。このため、経産婦であっても前回の出産時と同じようにおしるしが現れるわけではありませんので注意が必要です。
中にはおしるしがないまま出産に至ることや、おしるしが続いていてもお産が始まらないこともあります。臨月を迎えたら、いつでも出産を迎えることができるように準備をしておきましょう。
初産と経産婦の出産の主な違いは、陣痛が始まって無事に赤ちゃんの誕生を迎えるまでの時間が異なることです。
分娩は、その進行によって3つの時期に分けられます。第一期は陣痛が現れて子宮口が全開大になるまでの期間で、第二期は子宮口が全開大になってから赤ちゃんが誕生するまでの期間です。また、第三期は胎盤などの妊娠に関する付属器が娩出されるまでの期間です。
第一期はいわゆる「いきみ逃し」をして、第二期はいきみを入れて赤ちゃんが産道を通って誕生に至ります。初産と経産婦はこの3つの期間で、第一期と第二期にかかる時間が異なります。初産の場合は、第一期は10~12時間、第二期は30分~1時間ほどかかりますが、経産婦では第一期に5~6時間、第二期に10~20分ほどと短縮するのが特徴です。
出産が間近になると、おしるし以外にも体調にさまざまな変化が現れます。主なものを見ていきましょう。
陣痛が開始する直前の様々な症状は、子宮が大きくなったことや、出産のために体が準備していることによるものです。過度の不安は禁物。もし何か気になる症状やひどい体調不良を感じたら、迷わず医師に相談して悩みを解消しましょう。
あわてずあせらず、おしるしが出たら必要な荷物を用意したり、緊急のときの連絡方法をもういちど見直しておきましょう。
この頃は心もとてもデリケートになっています。出産への恐怖、産後の生活への不安など、気分が沈みがちです。これからの希望を胸に前向きになってみましょう。心と身体を少しでもリラックスさせることが大事です。
妊娠生活はけっして楽なものではありません。特に予定日間際の心と身体の不安定に悩む声は多く、そうした体験談を耳にしていっそう心細い思いをしてしまうかもしれません。やはり心がけておきたいのは、医師や助産師など、頼りにできる人に素直に思いを打ち明けることです。漠然とした不安であっても大丈夫です。まずは想いを伝えてください。経験豊富なスタッフが、きっとアドバイスを授けてくれるはずです。
最近は出産にまつわるリクエストを受け付けてくれる病院、産院が増えてきています。鏡やスクリーンで、赤ちゃんが誕生する瞬間を見届けたい、分娩中でも大好きな音楽に励まされたいなど・・・、かなえたいシーンをぜひリクエストしてみましょう。一生にいちどだけかもしれない生みの苦しみもすてきな思い出に残して、いつかわが子に聞かせてあげてみませんか?