思春期で大切な人の死別を経験したあとの乗り越え方

2017/3/14

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

大切な人を失うことは、人生の中でも最も辛く悲しい経験です。さらに、若くして死別を経験するとき、それはとても大きなものになります。その悲しみや寂しさを乗り越えるためには、いつもどおりの生活を送れるようにすることが大切です。この記事では、死別という耐え難い辛さを乗り越えるためにヒントとなるものをあげていきます。

思春期にとっての死別とは

思春期というのは、とても感情的なときでもあります。その時期に、身近な人が亡くなるのを経験することは想像を絶する程辛いものです。

さながら世界の終わりのようにも感じるかもしれません。さらにこの時期は、周りの友人が似たような経験をしたことがないので、それが理解されない、あるいは声をかけてもらえず、とてつもない寂しさに襲われるかもしれません。

死別の乗り越え方

嘆き悲しむことは死別から立ち直る際の自然な行動です。その形は様々で、どんなことをどれだけの間感じるべきで、といった決まりはありませんが、一般的には以下のような感情が出ることが多いです。

・悲しみ
・衝撃(特に死が予期せぬものであった場合)
・罪悪感や後悔
・怒り
・心配
・絶望や無力感
・鬱

これらの感情は、特に死別から間もない時期は、非常に激しくなるかもしれません。

最終的には時間がこれらの感情を静め、忘れさせてくれます。そのとき、気分が回復していくことに対して罪悪感を覚える必要はありません。それは決して、亡くなった人の記憶を薄れたり、忘れたりするということではありません。

自分の健康状態に配慮し誰かと会話を交わすことは、辛い時を乗り越える上で役に立つはずです。

人に助けを求める

自分の悲しいという感情を誰かに話すことは、死別を乗り越える上で重要なことです。ただ、家族、友だち、教師、医師など、誰に話すかを決めるのは難しいことかもしれません。予想もしない相手からもらう言葉で立ち直るということもあります。

また、感情の整理がつかない、うつの可能性がある、食欲や睡眠欲が異常である、自殺願望がある、数ヵ月経っても気分が回復しない場合は、カウンセリングをうけてみましょう。

学校で勉学に打ち込めない場合は、学校の先生にそのことを伝えて、心の負担を軽減してもらいましょう。

自身の体に気を配る

悲しみに苛まれている間は、自分のケアをする気など起きないかもしれません。でも、死別からくる感情とうまくつきあっていくことはとても大切なことです。 

以下に示されていることでも、大きな変化をもたらす可能性があります。

・食事
食欲がないと思いますが、普段どおりに食べるよう心がけましょう。食欲がないと感じていても、身体は食べ物を必要としています。
・睡眠
動揺しているときは、眠れなくなるということもあります。不眠症対策についての情報をチェックしてみましょう。
・友達と会う
友達に会い、いつもどおりの社会生活を続けていくことは思考をリフレッシュさせてくれますし、話したいときには自身の状態を伝えたりもできます。そして、失った人のことを思わないことや、友達と笑いながら楽しく過ごすことは、罪悪感を抱く必要はないということを忘れないようにしましょう。
・運動する
定期的な運動は気分を良い状態にし、良い睡眠をもたらしてくれます(ただし、寝る前の時間帯の激しい運動は控えましょう)。感情的な時期を経ているので、肉体的なことに集中してみることは息抜きになるかもしれません。
・喫煙、飲酒、薬物使用に逃げない
落ち込んでいるため、喫煙や飲酒に走る衝動に駆られるかもしれませんが、身体にとってはニコチン、アルコールや違法薬物に対処する際の負担が大きいです。これは若い身体ではなおさらであり、気分が更に悪化する結果になります。

おわりに:自分の心とからだを大事にする

大切な人を失ったとしても、自分の人生が終わるわけではありません。思春期の若い時期にそれを経験した場合は、そこからさらに長い人生があります。

悲しみや苦しさを乗り越えるためには、気落ちを回復させ、健康な生活を送ることが大切になってきます。

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