記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
大切な人を失うことは、人生の中でも最も辛く悲しい経験です。さらに、若くして死別を経験するとき、それはとても大きなものになります。その悲しみや寂しさを乗り越えるためには、いつもどおりの生活を送れるようにすることが大切です。この記事では、死別という耐え難い辛さを乗り越えるためにヒントをご紹介します。
思春期は心がゆらぎやすい時期でもあります。このため、この時期に身近な方が亡くなるのを経験することは、想像を絶するほどつらいものです。また、この時期は、周囲の友人の中に似たような経験をした人がほとんどいないこともあり、身近な人を失ったつらさを理解されない、あるいは声をかけてもらえなかったりで、とてつもない寂しさに襲われるかもしれません。
嘆き悲しむことは、死別から立ち直る際の自然な行動です。その形はさまざまで、どんなことをどれだけの間感じるべき、といった決まりはありません。ただ、一般的には以下のような感情が出ることが多いと言われています。
このような感情は、特に死別から間もない時期は激しいかもしれません。ただ、最終的には時間がこれらの感情を静め、忘れさせてくれます。そのとき、気分が回復していくことに対して罪悪感を覚える必要はありません。それは決して、亡くなった人の記憶を薄れたり、忘れたりするわけではないからです。
また、自分の健康状態について誰かと言葉を交わすことは、つらい時期を乗り越える上で役立ちます。「悲しい」という感情を誰かに打ち明けることは、死別を乗り越える上で重要です。家族、友だち、教師、医師など、誰に話すかを決めるのは難しいことかもしれませんが、予想外の相手からもらった言葉で立ち直るきっかけをつかむこともありますので、あまり悩まずに話してみるのがよいと思います。
また、感情の整理がつかない、うつの可能性がある、食欲や睡眠欲が異常である、自殺願望がある、数カ月経っても気分が回復しない場合は、カウンセリングを受けるのがおすすめです。また、学校で勉学に打ち込めない場合は、学校の先生にそのことを打ち明けて、心の負担を軽くしてもらいましょう。
悲しい気持ちでいっぱいになっているとき、自分の体調をケアをする気など起きないかもしれません。でも、死別からくる感情とうまくつきあっていくことはとても大切です。
以下に示されていることでも、大きな変化をもたらす可能性があります。